今日も、生涯の一日なり

自分軸で生きると決め早期退職した50代独女のつぶやき

Eテレ「オイコノミア〜“デリバティブ”超・超入門〜」を観て。どうしても損する気がして・・。

こんにちわ、SUMIKICHIです。

レギュラー視聴しているEテレ「オイコノミア」。今回のテーマは〜“デリバティブ”超・超入門〜。ゲストは、ギャンブル好きで確率マニアの平成ノブシコブシ徳井健太さん。ざっくり備忘録しときましょ。

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そもそもデリバティブってなに?

世界で初めて組織的なデリバティブが行われた国は日本。江戸時代、大阪で農家と商人の間で米の取引をする時。当時米の値段は10月に決まって、取引成立していた。けれど、農家の立場としては5月の時点でいくらで売れるかわらないから不安。そこで収入を安定させたい農家では、5月にあらかじめ米の値段を決めて、10月にその値段で売る約束をする。商人が代金を支払うのは10月、5月の時点では証拠金を農家に払って取引の約束をする。これは、米の代金とは別で約束のためのお金。この証拠金で約束を売買する取引がデリバティブ。米そのものではなく、米から派生した約束の売買。

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農家にとっては、10月の収益を5月に確定できるという意味で、リスクを回避できる行動“リスクヘッジ”のためにこういう取引が生まれた。“先物取引”という。商人の立場で考えると、5月に先物価格では5両、商人は7両に上がると予想しているとき、証拠金5両を払って、10月に米の価格が7両になったら、その価格で転売したら2両の利益になる。一種の投機。差額だけをやりとり。

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株式市場とデリバティブに派生した市場を比べると、近年の取引総額はデリバティブ市場の方が株式市場の約2倍にものぼる。

さらに、米の先物取引についてみてみる。初日の価格は5両、翌日収穫減って値段が上がりそう、とか、情報によって刻々と変化する。その変化を予測できる?あるゲームで考えてみる。

酔っぱらっている人間が千鳥足で歩いて帰ろうとしているが、次の一歩が右に行くのか、左に行くのかわからない、どっちに行くかは半々なので、オセロを投げてどちらに行くか決める。確率は半々、黒ー右に行く、白ー左に行く、10回投げて、10歩進んだ時に、どこにいるかを調べる。

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結果は真ん中、白と黒が同じ回数出た。では、何回も繰り返したらどうなるか?1回ずつは面倒なので、10個のオセロを一度に振って調べていく。1個を10回投げる代わりに10個を1度に。例えば、黒4+白6

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辿り着く位置に赤印をつけていく。30回繰り返す。

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白5+黒5になる確率が一番高くて、その近くにちょっとイレギュラーのものがある。確率が半々なのに、どこに行きそうかはほぼ確定的。

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ある企業の株価が上がるか下がるかを考えると、上がると思う人は買うし、下がると思う人は売る、今ある価格は世の中の人が一生懸命調べた結果が全部織り込まれたもの、明日上がるか下がるかは、明日になって新しい情報が入ってこない限りわからない、結局酔っ払いゲームと同じで次の一歩が右が左かわからない、確率は半々。それをランダムウォーク理論”と言う。

しかし、どのくらいの確率でどこにいるかというのはわかる。

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株価がどのように変化していくか確立の分布がわかれば、あとは数学を使うことで将来株を取り引きする権利の価格が計算できる。こうした計算によって生まれたのが金融商品デリバティブ。1972年、アメリカ・シカゴで世界初の取引開始。

なぜ、そういう取引が出来るようになったかというと・・・
1960年代にアポロ計画実施、1969年アポロ11号で人類が月に到達したが、その後計画は中止。ロケット工学の専門家たちは職を失う、そして流れ込んだのが金融の世界。数学や物理学を応用した金融工学を使ってデリバティブを発展させたとのこと。このデリバティブの専門家を“クオンツといい、日本にもいる。高度な数学的思考を用いて金融商品などを分析する専門家。

日本のある企業には100人近いクオンツが所属、物理学専門の人は、‘一つの粒子を分析するとき確立論が関係する、金融工学の世界ではその対象が株価に変わるだけで、分析が可能になるというところに関心があって入った’と言い、地球物理学出身の人は‘気象学研究をしていてデータ分析の経験を活かそうとこの業界に入った’と話す。

又吉さんは、いろんな会社に取材に行くと、もし自分がここで働いたらどうなるんだろうとよく想像するけど、ここでは自分に出来ることは何もなくて一日も働けないとポツリ。(同感)

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  次に、デリバティブは大きく3つに分けられる。“オプション” “先物取引” “スワップ”。では、“オプション”について。

わかりやすい例をあげて見る・・
徳井さんが小説を出版するとする。印税を受け取る権利を又吉さんに売る、いくらなら取り引きするか?この契約をするために又吉さんが払う契約金がいくらになるかを考える。

その前に徳井さんの印税を予想。仮に1万部、印税100万円とする。

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100万円で徳井さんが又吉さんに印税を売るとする、もし、1万部以上売ることが出来たら、追加で売れた分は又吉さんの印税利益になる。1万部まで届かなかったら又吉さんは損をする。基準となるのは1万部。1万部以上なら売れた分だけ利益、届かなければ損失。

 では、ここから印税の売買、オプション取引を考える。
『100万円で印税権を買い取る権利』を売買(オプション)。仮に一年の期日で買ったとする。100万円より売れたら権利を行使して、徳井さんから印税権を買い取ればいいし、売れなかったら買わなければいい、権利だけ売り買いしたのだから買う必要はない。

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期日の1年以内に1万部以上売れた場合、又吉さんは権利を行使して印税を手にして利益を得られる、逆に届かなかったら権利を行使しなくてもいい、すると損失を防げる。

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何だか又吉さんだけが得するみたい?ノーリスクではなく、権利を買うお金(契約金)が必要、つまりこれがオプションの価格。

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問題は、オプションの価格をいくらにしたらいいのか?確立がわかれば価格は決めることが出来る。どうやって?例えば、くじの価格って、実は期待値で決まる、期待値は確率を考慮した平均値。

簡単なゲームで考えると・・オセロの駒を投げて白が出ると当たりで2万円、黒だとはずれの0円、この場合の期待値は、

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1万円がこのゲームの期待値。オプションの話も同じで、徳井さんの小説がいくら売れるか確率がわかれば計算できる。

1万部売れると予想したとすると、確率分布は酔っ払いゲームと同じ正規分布になる。この形がわかれば利益がわかり、式に当てはめれば予想利益がわかる。

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この掛け算を全部やっていくと、この下のグラフになる。オプションの価値は緑部分の小さな山の面積。実際の金額を出すには、大量のデータと複雑な計算が必要なのでここまで。

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又吉さんたちは、売れれば売れるほどオプションを行使できるので、買った人は一生懸命宣伝しますよね、だったら契約して印税渡した方がいいかも、なんてことを言う。

 

実際、デリバティブ効果を利用している企業もある。自分の会社の株をあらかじめ決められた金額で買う権利。最近これを報酬として与える会社が出ている。例えば、80万円で株を買う権利を与えられ、80万円以上になったら儲かる、すると自分の会社だから業績を上げるよう頑張る、上がれば株も上がる、80万円に届かなければ買わなくていい。

他にも、“天候デリバティブとか“倒産デリバティブなんてのもあるらしい。この“倒産デリバティブ”というのは、例えば、徳井商事にお金を貸している又吉商事は、万が一、徳井商事が倒産した時に備え、デリバティブを金融機関から買っておき、徳井商事が倒産した場合、補償金を受け取ることができる。保険と違うのは、徳井商事と取り引きのない第三者でもデリバティブを買えること。つまり、徳井商事の全く知らない所で倒産リスクが取り引きされているのだ。

実は、リーマンショックに影響したと言われるのもこのデリバティブ。当時、リーマン・ブラザーズの倒産リスクのデリバティブが大量に売られていた。そして、まさかの倒産。すると、デリバティブを売った保険会社は補償金を払いきれなくなり、保険会社倒産の不安から株価大暴落へとつながった。     

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最後に、お笑いデリバティブは思いついたか?という先生の質問に、又吉さんと徳井さんは、お笑いライブをするとき、何人以上集客できなかったら補償しますよみたいなのはどうか、そうしたら買った人は一生懸命宣伝してくれるかも、と虫のいいことを提案。他に、解散デリバティブとか。

又吉さんは、権利の売買って面白いですね、と言うと、先生は、小説とか漫才ネタにどうですか、そのときはチェックしますよ、とすすめる。又吉さん、しばし考えて、(デリバティブの)説明に行数を結構とりますね、と苦笑い。 (完)    

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デリバティブ”・・簿記1級を勉強した際、出てきましたね。苦手でした、と申しますか、自分の生活圏外のことですので、実感が湧きませんでした。理解出来ないくせに、損するに決まってんじゃん、が先にくるので知識だけ詰め込んだ感じかな。結局合格できませんでした。とほほ。仕事も経理部に所属した時期もあるので、ざっくり概要はわかるのですが、上場会社でもなく、運用もそんなに活発にしておりませんし、本当に知識を使うことがなかったです。今回備忘録を綴っていましても、この人理解して書いてないな、ってバレバレな個所がたくさんあり、信憑性に欠けます。ですから、オイコノミアでこんなことやってんだね程度でお願いします。それにしても、クオンツとか天候デリバティブとか酔っ払いゲームからの正規分布のグラフなど、個人的には興味津々。お恥ずかしい限りですが。そして、今さらですが、リーマンショックの原因にもつながる倒産デリバティブも初めて知った、と思います。これまたお恥ずかしい限り。

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日々感謝です。