今日も、生涯の一日なり

自分軸で生きると決め早期退職した50代独女のつぶやき

Eテレ「オイコノミア〜信じるココロの経済学〜」を観て。たしかに、お地蔵様ってそうよね。

こんにちわ、SUMIKICHIです。

ほぼレギュラー視聴しているEテレ「オイコノミア」。今回のテーマは、“信じるココロ”。幸運を呼ぶ縁起物・四葉のクローバーや願掛けてるてる坊主、花占いなど、様々な場面で心の拠り所を求める私たち。こんな信じるココロも経済学で読み解けるらしい。ざっくり備忘録しときましょ。

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まずは、街行く人に“どんな験担ぎをしてますか?”とインタビュー。
・テストのとき、ポケットに起き上がりこぼしを入れる
・勝負時、就活で初めて買った赤いネクタイをする
・市民マラソン大会出場時、右足からシューズを履く
・勝負前、カツ丼を食べる
・お金が貯まるようにお札は顔を下にして財布に入れる など

人それぞれあるようだ。宇宙飛行士さんの験担ぎの紹介。
 ①出発前日
   宿泊するホテルの庭に木を植える
 ②出発前夜
   映画「砂漠の白い太陽」を鑑賞する
当日は、移動用のバスを降りて、バスに小便をかける。女性は予めとっておいたものをかける。ガガーリンがロケット打ち上げ時にした行動を真似ているらしい。

この“験担ぎ”って一体何?何を信じているの?
経済学では、因果関係の誤りと呼ぶ。

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因果関係とは、二つの事実の間に原因と結果のつながりがあること。

雨が降る(原因)と傘が売れる(結果) には因果関係があるといえるが、カツ丼を食べると勝つとか赤いネクタイをすると成功するなどは、実は因果関係は無い。なのに、信じてしまう。では、なぜ統計的に根拠のないことに私たちは因果関係を見い出すのか?
これは、偶然に秩序を見つけたがる人間の特性だと言われている。

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直感的な判断に基づいて意思決定すること。論理的な裏付けがなく、判断に偏りが生じる。例えば、薬の効果について、医学的に研究された結果よりも、身近な人が治ったという情報を信じたりする。経済学では、こうした人間のくせも研究対象。“験担ぎ”も“ヒューリスティクスのバイアス”のひとつと考えられている。

又吉さんは、ラスベガスで赤と黒のルーレットゲームをした際、全て赤に賭けたとのこと。好きな色であるとともにサッカー部時代靴下が赤、チームカラーも赤、その名残らしい。

実は、これも“験担ぎ”の有効な使い方である。物を決める時は結構エネルギーを使う、これを意志力というが、使い続けるとエネルギーが減ってきて大事な時に良い意思決定が出来ないかもしれない。ゆえに、重要でないことはパッと決めて、集中すべきことにエネルギーを使えるので“験担ぎ”も使い方次第。

 

ここで、又吉さんとゲストのはるなさんに実験。
サイコロの目が偶数か奇数かを当てる。方法として下記の二つから選んでもらう。どちらを選ぶかで、あるものを信じるココロがわかる。
 A.すでに投げられているサイコロの目を当てる
 B.自分で投げるサイコロの目を当てる

又吉さんは‘奇数’、はるなさんは‘偶数’を予想し、二人とも‘B’を選び、サイコロをふると・・‘奇数’に。もし、又吉さんが‘A’を選んでいたら、正解だった。これは、やはり、“自分を信じている”ということでしょうねとのこと。サイコロの目が奇数・偶数になる確率は誰が投げても同じ、でも、自分で投げたい。こういうのを

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つまり、自分の能力が高いと信じるココロの表れ。

 

では、みなさんの“自信過剰バイアス”を測ってみよう!大竹先生監修のテニスボール実験。テニスボールを3m離れたカゴに10球投げ、入った個数を競うもので、街ゆく人男女合わせて20人に協力して貰った。投げる前に‘上位50%に入る自信があるか’質問したところ、女性は自信がないと答えた人が多かった。しかし、結果は、女性の方が上位50%に入った人が多かった。女性は過小評価する傾向がある。

 

これに関連して、自信に関する男女差は、組織のリーダー選びにも影響を与えるという研究もある。アメリカのビジネススクールで“各リーダーの計算テストの正解数でグループの報酬が決まる”という設定でグループリーダーを決める実験を行った。
3パターンの条件でリーダーを選んだ場合の、女性リーダーの比率を見ると、
 ・一年半前の実際の成績で選んだ場合・・21%
 ・参加者が記憶していた成績で最も優れた人を選んだ場合・・16%
 ・今回は何問解けるか自己申告で選んだ場合・・12%

と、男性は実力もないのにもっとできると思っていたり、記憶がすり替わっていたりする傾向がある。組織としたら、実力がある人がリーダーになる方が良いのに、自信過小になっていると組織としては損をする、社会としても損。自信過剰も自信過小も問題。日本人の特性もあるが、女性はもう少し自信を持とうとのこと。      

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話は変わって、大竹先生は“信じるココロ”について面白い研究をしている。小学生の頃、通学路や自宅の付近にお寺や神社、お地蔵様があったかどうか調査をした。それらを目にすることが多かったという人は、知らず知らずのうちにその人の人生に大きな影響を与えている可能性があるということがわかった。

大田区池上地区では、19歳で亡くなった青年を偲んで約30年前にお地蔵様が建てられ、それ以来まわりの人たちの動きが変わった。子ども達が登下校の際拝んだり、牛乳配達の人が牛乳をお供えしたり、と何も言わないでそこにあるだけで人の気持ちを寄せていく。こういう環境だと“ソーシャル・キャピタル”が高まることがわかった。

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お互い相手に利益を与え合う互恵性や自分を犠牲にしても他人の利益をはかる利他性などが“ソーシャル・キャピタル”を高める。それから、人のことを信頼できるのも“ソーシャル・キャピタル”。

話を戻して、大竹先生は、25〜59歳の約18000人対象にネットアンケートを実施し、“ソーシャル・キャピタル”を分析する中で、神社・お寺・お地蔵様に注目。子どもの頃の価値観に無意識に影響を与えているのではと仮定。

主な質問項目として・・・

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それぞれの質問から利他性などがわかる。

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お寺やお地蔵様があった人たちは、天は悪事を見ているとか神仏を信じる傾向があり、見られているから悪いことはできないなと思いやすい。

また、地域の“ソーシャル・キャピタル”が高いと、健康度とか幸福度など人々の人生にも影響があるという。

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ところで、番組冒頭で紹介されたビルの一階にあるお地蔵様は、2013年にビルの運営会社が設置したもの。最初はお店の話題作り程度に考えていたが、そんなに簡単に建てれるものではなかったらしい。

京都の鈴虫寺に相談したところ、魂を入れる儀式・開眼供養をしなければにらず、その覚悟があるのか?と問われたようだ。会社がなくなってもそこに存在し続けなければならない、町内とか商店街とか地域のみなさんで作ったお地蔵さんにしてはどうか、建立委員会を作りなさいと課題を出された。建立に2年位かかり、今では、毎年夏には地蔵盆や縁日を開催して100人を超える子どもたちが参加し地域交流の場となっている。“ソーシャル・キャピタル”が育っている感じだ。

しかし、大竹先生は、研究が正しければ残念なことがあるという。“所得は上げない”らしい。近所にお地蔵様があった人は社長になる人が多いということはなかった。人間関係が豊かな人は成功しそうだが、調べてみるとどうも地元に残るか、地元に戻る、東京に行ったら所得が上がるかもしれないけど、地元のネットワークや人間関係が大事だと。地元への満足度や友達関係の満足度は高いが、仕事や所得の満足度は必ずしも高くはならない。 以上

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私は“験担ぎ”ってしてるかしら?すぐには思いつきません。それと、お地蔵様に関しては、近所や観光地でお見かけすると、たしかにただの石の置物ではなく、何がしか有難い気分になりますね。先日立ち寄ったお寺にたくさんのお地蔵様がいらっしゃって、しかも赤い毛糸の帽子や前掛け、お供え物などきちんと飾られているのを見ましたら、自然と立ち止まって見つめてしまいました。気を配ってらっしゃる方々のお気持ちが伝わってきます。代々親から語り継がれていくのでしょう。信じるココロまで経済学で読み解くとは、オイコノミアとは何ぞや、でございます。

日々感謝です。