今日も、生涯の一日なり

自分軸で生きると決め早期退職した50代独女のつぶやき

Eテレ「日曜美術館 “暮らし”にかけた情熱 花森安治30年間の表紙画」(再放送)を観て。ほっこりです。

こんにちわ、SUMIKICHIです。

滅多に観ないEテレ「日曜美術館」ですが、気になる方の特集をしていましたので録画視聴いたしました。随分前なんですけどね。放送自体、2016年7月のようです。

戦後、日本人の暮らしを変えたと言われる“国民的”生活雑誌「暮しの手帖」の表紙画を30年間自ら手がけた天才編集長・花森安治。原画に秘めたメッセージとは?

      f:id:sumikichi52:20170227140146j:plain

買うことはないのですが、中年以降書店で見かけるたび手に取り癒されております。美魔女的に素敵なモデルさんや女優さんが表紙を飾る女性雑誌が並ぶ中、地についた暮しを提案する表紙画が目に飛び込んでくるんですよね。40代の後輩女子も、初期の頃の雑誌をいつか見たいと言っております。

      f:id:sumikichi52:20170227140147j:plain

番組では、花森さんの足跡をたどりながら表紙画の変遷、込められた想いなど紹介。ざっくり備忘録しときましょ。

 

花森さんの経歴は割愛しますが、1945年終戦、茫然自失で瓦礫が残る街跡を彷徨い・・1948年に暮しの手帖一号を発刊。

f:id:sumikichi52:20170227140149j:plain

終戦から3年、まだ傷跡があちこちに残る時代の中、鍋やフライパンなど鮮やかな色で描かれた表紙だ。そこには、花森さん自身が見た戦後の闇市での光景が投影されている。そこではフライパンが飛ぶように売れる、本当に光り輝いていた、どんなに気持ちが明るくなったか。やはり、暮しというものが一番大事だということを、そして、まずみんなに腹の底までそのことをわかってもらおう、日々の暮し以外に大切なものはない、花森さんが噛みしめた想いが絵には込められていた。

 

雑誌には、物資のない時代の中、豊かな絵に描かれたような暮しを自分たちで作りあげるアイデアが紹介されている。リンゴ箱を利用して家具を作る方法など、大工仕事に慣れない女性にも作れるよう写真を使って丁寧に作り方を掲載したり、

f:id:sumikichi52:20170227140154j:plain

当時は馴染みの薄かった洋風ソースのレシピを童話の一場面のように紹介したり。

f:id:sumikichi52:20170227140155j:plain f:id:sumikichi52:20170227140156j:plain

創刊号には、花森さんの掲げたメッセージがある。

f:id:sumikichi52:20170227140203j:plain

戦後は、誰が幸せにしてくれるのか?という不安や批判が政治に向かうが、花森さんは、生活の細かいところから人を幸せにしていこうと考えた。

f:id:sumikichi52:20170227140151j:plainf:id:sumikichi52:20170227140152j:plainf:id:sumikichi52:20170227140153j:plain

花森さんの作風は、同じ人間が描いたとは思えないほどバラエティに富んでいて、1950年後半からは写真を使い始めた。果物や野菜が並んだ構図。斬新でいい意味の緊張感を生み出している。撮影方法も並はずれており、リヤカーいっぱいの野菜などを運び込んで、そこから選ぶがのだが、まる一日かかることもある。

 

この1950年代後半は、日本の高度経済成長の時代到来。大量生産、大量消費、便利な生活を享受する時代。この頃、表紙とともに力を入れた連載企画があった。「ある日本人の暮し」。人生にせまるルポルタージュ。ある企画を担当した編集者の話・・築地で働く魚河岸のせり人の企画で、毎朝3時に出勤するせり人を撮影するよう指示された編集者が、撮ってきた写真を花森さんに見せたところ、大激怒!

f:id:sumikichi52:20170227140204j:plain

相手は同じ庶民で仲間、その人の人生がでないとダメだと。

花森さんの想いは表紙にも通じており、みんなをうならせたい、これが新機軸だといわせたい、という発想はない、そこにあるのは、斬新さ、ハイカラさと、地に足がついた日本人が守るべき暮し両方が凝縮されている。高度成長に流されるのではなく、しっかりした生活の営みというのはこういう(せり人の日々のような)ところにあるんじゃないのかと。

f:id:sumikichi52:20170227140205j:plain

100号発刊後、心筋梗塞で倒れ療養後、復帰してまた描きはじめる。作風は変わり、様々な女性たちの姿、シンプルなカタチと色、その姿は時にのびやかに、時に静かな強さを秘めた存在として描かれている。

       f:id:sumikichi52:20170227140148j:plain

1970年、女性の社会進出が進む時代。しかし、取り巻く環境はまだまだ厳しい。その頃、学校を卒業し社会に巣立つ女性に向けて綴った記事がある。

f:id:sumikichi52:20170227140206j:plain

1978年、帰らぬ人となる、66歳。

生前好んだモチーフは“ランプ”。「世を照らす」という意味がある。人々の暮しを照らすともしびでありたいという願いだったのだろう。

タンカーのような大きな船の方向を変えたいとき、使うのは小さなダイヤル。それを回すことで方向を変える。花森さんは小さな日々の断片で同じようなことをやりたかったのだろう、それをやらずして全体が良い方向に行くことはないと。

 

ざっくり以上のような番組内容でございました。なるほど、そんな想いが込められているから、雑誌から匂い立つものがどこか懐かしくて、大切な感じがして、見つめてしまうんでしょうね。花森さん亡きあともちゃんと引き継がれていく・・素敵ですね。新しいものも取り入れつつ、根っこは腐らせないで。

図書館にも雑誌があり、2・3月号は花森さん特集が掲載されていました。

f:id:sumikichi52:20170227140158j:plain f:id:sumikichi52:20170227140159j:plain

f:id:sumikichi52:20170227140200j:plainf:id:sumikichi52:20170227140202j:plainf:id:sumikichi52:20170227140201j:plain

それで、再放送されたのかな。どうでも良いことなんですが、録画視聴直後、やっぱり丁寧に生活しなきゃと、劇団団長からもらったかぶで超簡単スープを作ったのでございます。

        f:id:sumikichi52:20170222085544j:plain

ブログ作成は今になってしまいましたが。あれもしたい、これもしたい、と視聴直後は心はずみますが、実行出来てないコト多し、でございます。

        f:id:sumikichi52:20170227140150j:plain番組スタジオの花が素敵でした

日々感謝です。