今日も、生涯の一日なり

自分軸で生きると決め早期退職した50代独女のつぶやき

ムラで生きる!と決めたその“移住女子”、とても美しいと思いました。

こんにちわ、SUMIKICHIです。

ここ数日比較的地域ネタ特集になっておりますが、本日も同様にNNNドキュメント’16「ムラで生きる 移住女子〜私がムラを選んだ理由〜」を観て想ったコトを綴らせて頂きます。久しぶりに美しいなぁーっと感じたアラサ―女性でした。

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番組の内容をざっくりと・・。
昭和30年には30世帯170人が住んでいた新潟の限界集落十日町池谷集落、今では7世帯16人に減った。そこへ、あえて都会から移り住んだ女性が、佐藤可奈子さん29歳。番組は、5年前東京の大学を卒業後、広告代理店内定を断って移住し農業を始めてからの彼女の姿を追った5年間の記録である。

加奈子さんは香川県高松市出身で、高校生の時は体型にコンプレックスを感じ過激なダイエットを繰り返していた。大学生になると海外人道支援のボランティアをしたが、日本のもっと身近なところで出来ることがあるのではないかと模索していた大学3年の時、農業ボランティアを知り参加した。村の農業などのお手伝いをし、村の人に可愛がってもらっていると心が晴れる気がして、月に一回通うようになった。

限界集落といわれるけれど、前向きに生きている人たちを見て“希望集落”だと感じた』と加奈子さんは言う。

こういう大人になりたい、こういうおばあちゃんになりたいと憧れる人たちがいたから移住を決意したのが2011年9月。

ここでの生き方はとてもシンプル。以前は食べることに罪悪感を持っていたけれど、食べることは生きること、美味しそうに食べるねといってくれた、かなちゃんは今のままでいいんだよ、ありのままでいいと言ってくれた。

移住当初、30年前は分校だった公民館の維持管理の仕事を集落から任され、報酬として月5万円。鶏や牛の世話、農業をして少しずつ馴染んできた。

『朝が一番きれい。晴れやかなきもちになる』と満面の笑みを浮かべる。

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その後、田んぼを借り本格的に米作りを始めた。早く一人前になることが恩返し。また、加奈子さんは、他地区の移住女子達と、中間山地と来るを縮めて“chuclu(ちゅくる)”という情報誌を作っている。田舎生活の魅力を同年代の女性たちに伝えるためだ。

さて、一年目の米作り。水やりと施肥が上手くいかず、収穫量が目標の半分。野菜作りも失敗。ブログで最近ちょっとつらくてせつなくて疲れちゃったと綴る。

そうして、4年目の秋。米農家として独り立ちしていた。豊作になった。ブログを通して米を注文したくれた方達との会を開いて試食会。購入者は新米に大喜び。そして、ひとりで頑張る加奈子さんの生き方を受け止めてくれる男性が現われ、結婚。5年目に女の赤ちゃん誕生。あさちゃんと名づけた。大好きなこの村の朝のように清々しく希望にあふれた子供に育って欲しいという願いを込めて。

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ある日東京に出向いた。全国移住女子サミットに体験者として参加するためだ。

『農業って大変だとは思うけれども、ぶれない生き方、信じているものがそこにあって世の中がどう変化しても確かな生き方なんだなぁって。こういう生き方っていいよなという姿がたくさんあるのが良かったですね。』と田舎移住に興味を持つ女子たちを前にしてにっこり微笑んだ。

参加者は、「輝いていると思った」「来年田舎暮らしすると決めた」と共感していたようだ。移り住んで5年。自分らしい生き方を見つけた。私は移住女子。れからもこの村と生きて行く。髪を後ろで一つにまとめ、作業着姿で田んぼの世話をする加奈子さんの姿で番組は終わりを告げた・・。

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う〜ん、なんて申し上げたら良いのでしょうか、加奈子さんの清々しさが私の気持ちまで清めてくれるような感覚でした。ほぼ素顔なのにつやつや、きらきら自然で、多くを語らなくても本当に毎日充実してるんだろうなと思えました。私は以前番組作りに携わったことがございますので、多少演出の引き算をしてみたとしても、観て良かったと思える番組でした。田舎暮らしや農業は大変な事が多く全ての女子に移住が合うとは思いませんが、加奈子さんは生涯の地にめぐり合えたんですね。

具体的に随所に共感できるところがあり、列挙してみますと・・・
◆田舎の朝がきれい、毎朝実感している・・・わかるわかる
◆こういうおばあちゃんになりたいという人がいる・・・私も町内に顔を出すとそう思う時がある
◆シンプルな生き方、世の中が変わってもブレない生き方はいいな・・・私も実感している
◆ありのままでいいと受け入れてくれる空気の中に居る幸福感・・・私はひとり好きだけど羨ましい
◆人間が口に入れるものを作る職業を選んだ人の覚悟・・・敬意を払います
◆植物を育てる難しさ、共存の気持ちが大切・・・わかるわかる
◆本当に美しい人間の表情はこんな場所(自然の中でシンプルに生きるなど)で育つ、内から輝きが発散されている・・・羨ましい
※あっ、誤解の無いよう申し上げますと、農業従事者が一番えらいとかそういう比較論ではございませんので。

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生きるとはどういうことなのだろうか。暇ですので四六時中考えたみたりしますが、答えはみつかりません。ひとつの考え方として、私がおざなりにしている『食』。『食べることは生きること』とよく云われます。ただ良い食材でみんなで美味しく食べる、と言う意味だけではなく、食べるためには食材を育てるか買うかして料理を作る、食材や肥料を買うためにはお金が必要、働いてお金を稼ぎ、食材などを買う、食べる・・すべてはつながっていますよね。加奈子さんは、このシンプルな循環の中で汗水たらして、でも爽やかに生きています。ここに、欲が加わるとおかしなことになるんですよね。働き方がどうこう、自己実現がどうたら、名誉欲、物欲、利益エトセトラ。どちらが偉いという話ではなく、自分も含めほとんどの人は複雑な、複雑にしている循環の中に身を置いて抜け出せなくて、飛び出せば変人と思われ・・あれっ?私、愚痴ってます?つまり、無い物ねだりかもしれませんが、今流行の“シンプル”に人は憧れるということでしょうか。まぁ、真似できないまでも、自分の今居る場所で自分なりに頑張ってみようということで。


あと、会社員時代の心残りを思い出しました。番組制作の仕事に従事していた際、この番組のように地味だけれど誰かの人生を定点観測的に追い続けたドキュメンタリーを作っておきたかったこと。一緒に生きて行きたい、生きてくれる対象者と出合えるかどうかが肝です。時は金なりと申しますように、あの時に戻って撮り直そうってことはできませんから。

私がこのジャンルの番組をたまに観るのは、自分の選んだ人生の確認をしたいためかも知れません。正解かどうかではなく、日頃自分が感じている様々な事象は、身近な人間関係、例えば企業で働く人たちとか、その中ではなかなか伝わりにくいのではないかと感じていて、番組の中だけで見ず知らずの方だけどどこかで共有できる部分はないかと探すのかも。あとは、何か自分にも出来ることはないかと。

今更ですが、情報誌で発信というのは参考になりますね。こうして、色んなジャンルの番組を観てちょこちょこ頭の中の“何でもBOX”に溜めこんでおくといつか何か一つにつながるような気がするんですよね。死ぬまでにつながれば良いけどな。

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日々感謝です。