今日も、生涯の一日なり

自分軸で生きると決め早期退職した50代独女のつぶやき

Eテレ「オイコノミア〜みんなのものをどう守る? 公園の経済学〜」を観て。

こんにちわ、SUMIKICHIです。

レギュラー視聴しているEテレ「オイコノミア」。今回のテーマは〜みんなのものをどう守る? 公園の経済学〜。散歩に、デートに、リフレッシュに!誰でも自由に使える公園、災害時には頼りになるありがた~い存在なのだが、意外な問題も。経済学の考え方でどう解決できる?というもの。ゲストは武井壮さん。では、かなりざっくり備忘録しときましょ。写真と内容は関係ございません。

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今回のロケ地は、東京都立井の頭恩賜公園

都心から電車で20分、年間500万人以上が訪れる。ボートに乗るもよし、身体を鍛えるもよし、季節と共に移ろう多彩な表情も魅力。市民に親しまれつつ、今年100周年を迎えた。お笑い芸人・作家の又吉直樹の原点の場所でもある。若い頃、家にいると気が滅入ってくるのでしょっちゅう来ていた。ここに来ると開放感が得られ、気持ちが楽になっていたそう。武井さんの驚異的な身体能力は、公園での遊びが原点だと言う。

 

公園は人間にとってプラスの効果がある?
実際に公園には、気分を良くさせるだけだはなく身心を良くする研究結果が結構ある。

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公園は奥が深い。経済学と公園は、どう関係ある?
糸口として、公園という言葉を考えて見る。「公」ということから公共の施設、みんなのもの。特徴として・・
       ①誰でも使える
       ②みんなで同時に使える
これら二つを満たす財のことを経済学では・・

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他には、一般道路、公民館など。高速道路は料金が発生し、誰でも使えるわけではないので入らない。“公共財”の反対は“私的財”。

 

ところで、ここ井の頭公園は、災害時の広域避難場所に指定されている。公園の災害時に果たす役割が注目されたのは、1995年の阪神淡路大震災。火災が広がるのを防ぎ、被災者を支援する拠点になった。今、公園の防災機能がとても期待されている。

ここのベンチもそう。ベンチの座る面を取り外して火をつけると、2分もかからず、かまどに早変わり。‘かまどベンチ’。簡単に炊き出しが出来るように園内8ヶ所に設置されている。

他にも、マンホールがたくさんあり、災害時トイレになる。2017年に設置された‘マンホールトイレ’。その下は下水管につながっていて、使う時はその上にテントをはり、背もたれのある便座もつけられ個室になり安心感ある。公共財の特徴を活かして、公園に作られる防災設備。全国の自治体で進められている。

 

日本で公園という制度が始まったのは1873年。

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東京では、上野公園など5つの公園が誕生した。明治政府は、都市化が進む中で市民の健康のため、公園が必要だと考えた。都市って、人が集まる、あんまり密集すると空気が悪くなる、そこで、当時のコンセプトとなったのが“都市の肺臓”。都市の中で公園に肺の役割を果たせたかった。

 

井の頭池は、かつては、飲み水として利用されるほどきれいな水だった。1921年(大正10年)にはプールとして開放されたことも。しかし、近年、池は多くの問題を抱えている。水草やヤゴなどの水生昆虫を食べて池の生態系を狂わす原因となっている、アメリカザリガニオオクチバスブルーギルなど本来ここにはいない外来種が増え、在来生物は絶滅寸前になってしまった。そこで、それらを取り除くため、2014年、2015年に池の水を抜き、からっぽにする作業が行われ、延べ1,000人の市民ボランテイアの協力を得て、生態系破壊していた外来種を取り除いた。オオクチバス1,300匹、ブルーギル2万匹などを駆除。それでも全ては駆除出来ず、今も170ヶ所に網をしかけて捕獲を続けている。

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そもそも、なぜ外来種が増えたのか?
人間が池に放ったもの。経済学でよく言うのが、“共有地の悲劇”。自分のものじゃないから雑に扱う。みんながそれをすると公共財の質が下がってしまって、みんなが損をしてしまう。2014年の外来種駆除で池の中から出てきたのは、外来種だけではなく、自転車が、なんと230台!他にも家電製品など様々なものが不法投棄されていた。

公園のような‘みんなのもの’を人は大切に扱わない傾向がある。みんなのものなので、良い状態を保つのは難しい問題。共同利用するものは、自発的な意思に任せては上手く管理出来ない。すると何らかのルールが欲しくなる、共有地にはルールが必要。井の頭公園内にもたくさんのルールがある。そのひとつ。公園内のベンチの多くは、真ん中に手摺がある。それは、利用者にあるルールを強制するため。ベンチで横たわって寝ないようにするための‘ホームレス対策’。

今回は、みんなが使える、人を排除しないものと説明してきたが、この真ん中の仕切り(手摺)は寝るという行為からは全ての人を排除している、誰でもベンチに座れるけれども、座る行為にしか使えない。

そういう人たちにも親切にしてあげるべきでは?
たしかに、実際憲法にも・・

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とある。例えば、又吉さんが、家も財産も全て失ったらホームレスになる?実家もあり、友達もいる。そういう風に人との関係を持っている限り、人はホームレスにならない。社会から本当に分断された時に人はホームレスになる。そして、公園のベンチで寝ることになる。そして、この仕切りはそこからも排除してしまおうという効果を持ってしまう。目の前からホームレスがいなくなると、ますます社会の中でマイナーなものになっていくサイクルが生まれる。

公園とは別の場所に作るのは?
もしかしたら、そこで野宿する人が増えるかも。本来必要がない人も、野宿する場所があるからと努力しなくなるかもしれない。

そもそも公園は、夜、過ごしたり泊ったりする所じゃないのにもかかわらず、それを求めて来る人たちが本来の目的を阻害してしまう可能性があるから、この手摺がついたということなのだろう。

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井の頭公園は、東京都が管理している。公共財をどう管理していくか経済学で考えて見る。公共財というものを我々が、政府を経由してどんどん引き継いでいるというところがある。公共財のキープレーヤーは政府。じゃあ、政府なしで、みんなが自発的に、道路を共有したり、供給したりの自由放任システムだったら、こんなに公共になっていないはず。

みんなの自発性に任せていては公共財は出来ない?
公園みたいなものを造る時に、みんなはお金を払ってくれる?それぞれ苦しい生活の中難しいだろう。それと、誰でも使えるというところがポイントで、例えば、武井さんが公共財のためにお金を出してくれたとして、それをただで使えるわけである。

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これを経済学では、“フリーライド(ただ乗り)”という。

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これを経済学で言うと・・

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ということで、我々は、政府という制度を通じて公共財を獲得している。たまに、こなのいらないよなっていう過大供給されているものもあるが、政府は万能ではないので難しい。

そこで、ひとつ、優れた決め方を考えてみよう。

必要な公共財の量、どう決める?
ある社会の中で住民一人あたり幾ら負担して、どのくらいの規模の公園を造るか。選択肢は下記の4つ。住民9人で決める。

                     結果 

  ①大きな公園   3,000円  →  2人
  ②中くらいの公園 2,000円  →  2人
  ③小さな公園   1,000円  →  1人
  ④公園無し        0円  →  4人

ちなみに、武井さんと又吉さんは①、坂井先生は③

多数決なら、4票の‘公園無し’に決まる。しかし、‘いる’‘いらない’で分けるなら、5票対4票で、‘公園いる’に決定。しかし、無しの4人も社会構成員のメンバーなので無視できない。そこで、ひとつの良い決め方として、真ん中を選ぶ。つまり、③の‘小さな公園 2,000円’に決まる。

他の人から不満は出ない?ある程度は出るかもしれないが、③は、非常に多数意見を反映したもので、例えば、②と③でどちらがいいか?と聞くとする、‘公園なし’と答えた4人は百歩譲って③と言うだろう、‘大きな公園’にした2人は②を好むだろう、とすると、②と③は4票対5票で、‘小さな公園’の勝ち、となる。この決め方は、“中位投票者定理”という。投票者全体が納得しやすい結果を出す方法とされている。

 

公園があるというのは当たり前のようだが、全然当たり前ではない。公園があって生まれるものをちゃんと考えると、みんな大切にするだろうね、武井さんの並み外れた身体能力は、幼少の頃、公園で駆けまわったおかげだから、負担額3,000円よりもっと払っていいよね、そして、公園から受けた恩恵は、社会から投資された、と考えられるらしい、と番組は締めくくられた。     (完)

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若かりし頃(子供の頃は除いて)は、そんなに公園が好きではありませんでしたし、というより、よし!公園に行こう!なんて、まず思いつきませんでしたね。早期退職後、ゆとりができてから、季節の花を見たくて近郊の植物公園に出かけるようになりました。有料ですけどね。行くたびに、植物のみならず、常に環境整備がなされていて頭が下がります。これが公共財の公園だと市民ボランティアさんが協力して下さるんですよね。そういえば、河川沿いの桜並木の管理もそうだとニュースで知りました。私は、町内会の当番で、神社の境内のお掃除を年に1〜2回するくらいでございます。

それと、災害時のマンホールトイレやかまどベンチには驚きました。私の住む田舎の緊急避難場所は、広場のそばにある公民館や小学校ですので、トイレのことなんて考えたこともないです。お気楽だな。それと、ホームレス対策のためにベンチの真ん中に手摺がある、なんてことも想像しておりませんでした。居候Kくんに、そんなことしてたら公園のベンチで寝るようになっちゃうよ、なーんて冗談っぽく言ったりしてましたが、  そっか、公園で寝れないんですね。

田舎に家を建て、町中から引っ越して約20年。周囲がすでに自然公園のようなもの。 

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日々感謝です。