Eテレ「あしたも晴れ!人生レシピ〜“お墓”どうしますか?〜」を観て。本日、姉弟揃って20数年ぶりに墓参り・・。
こんにちわ、SUMIKICHIです。
本日は原爆の日。だからというわけではないのですが、ここ数年足が遠のいております両親のお墓参りをいたしました(ごめんなさい!)。といいますのも、車で一時間、山の中腹に古くからある墓地で駐車場の整備もされておらず、とても不便なので(過去に電信柱に車をぶつけてというトラウマあり)・・後ろめたい気持ちいっぱいのまま・・って言い訳ですね。
ですが、先月から我が家に居候している弟・Kくんが、どうしても行きたいと申しますので、Kくんの人生再出発の意味も込めまして、姉弟揃って20数年ぶりに早朝から出かけたのでございます。
きっと、草ぼうぼうで大変な事になってるんだろうなー、申し訳ないなーとびくびくしながら到着しましたら、なんと、綺麗に維持されておりました。そうです、地域のボランテイアの方々が維持管理して下さってるんですね。本日も、麦藁帽、首にタオル、手には軍手スタイルのご年配の方々が大勢お掃除をなさっておりました。すれ違いざまには「おはようございます、有難うございます」の言葉と一緒に頭も下がっりました。
早速、Kくんに掃き清めてもらい、花を飾り、線香に火をつけ、静かに手を合わせてお詫びと祈りと・・・。
昨日の朗読会で聴いたオリジナルの詩(原爆投下直後、母親が我が子を4日間探し続け無事見つかる、その子供が成長し、自分が生きている意味を考えた時、母が見つけ出してくれたのが原点だという詩)を胸に。
道しるべ〜墓前にて〜 左近司みのり 作
手を合わせると
うかんでくる
母の姿がかんでくる
二十歳の夏
閃光
爆音
変わり果てた 人 人 人
わたし わたし わたし?
どこからか母の声がきこえてくる
名をよぶ声がきこえてくる
母はわたしをみつけてくれた
「わたし」を
「わたし」に
もどしてくれた
九十二歳の夏
たったひとり 手をあわせ
なぜ生かされたかを問うときは
母が わたしの道しるべ
母が わたしの道しるべ
当然の事でございますが、来て良かったと思いました。心が落ち着き、気持ち新たに人生を始められるような気がいたしました。Kくんも神妙に何かを感じていたようでございました。「ちょくちょくお参りしようね」とポツリ。
実は、このお墓、母親が亡くなった際に父親が建てたもので、先祖代々から続いているわけではなく、しかも、姉弟揃って独身(きっとこの先も)で跡継ぎもいないので近い将来、無縁仏になる運命でございます。ですから、墓じまい?みたいな事をした方が良いのではないかと考えており、お墓参りを決めた際、Kくんにも話して検討しようねということにしていました。
そう具体的に考えるきっかけになったのが、レギュラー視聴しているEテレ「あしたも晴れ!人生レシピ〜“お墓”どうしますか?〜」を観たから。
「お盆は子供も連れて里帰り、先祖代々の墓に手をあわせる」と言っていたのは40代頃まで、50代以降になると子供はもちろん、自身も故郷のお墓には疎遠になっていく、その解決策として最近増えてきた“お墓の引越し”はどのように行われるのか?さらに今話題の“樹木葬”や“散骨”とは?従来の代々受け継がれてゆくべきお墓のあり方が変わり選択肢も広がる中で、お墓に関するさまざまな悩みと解決のヒントを探ってゆくという内容。墓参り日記の途中ですが、気になった個所をざっくり備忘録しときましょ。
●永代供養
墓を継ぐ人がいなくてもお寺などが永続的に供養や管理を行うこと
管理料の明確な相場はない、約20万円?80万円までと幅広い。管理料の滞納が続き一年間連絡がとれないと、その墓を撤去することができ、官報にも記載して知らせるらしい。
●お墓の引っ越し(改葬)
いろんなタイプの引越し方法があるが、まず改葬許可証を手に入れなければならない。市役所に連絡して郵送も可能。
「お墓の引っ越し」手続き
役 所
↑
改葬許可申請書
↑ ↑
新しいお墓 ↑ ↑ 元のお墓
墓地使用許可証 埋蔵証明書
または
受け入れ証明書
お墓の移転などの際には「開眼供養」や「魂抜き」などが行われる。
●ある家族の改葬費用
岩手の寺への志 100,000円
旧墓地解体工事代 500,000円
移転先墓地確保 1,000,000円
〃 埋骨代 60,000円
〃 銘板彫刻代 37,260円
計 約1,700,000円
東京の相場で新たにお墓を建てるとすると約300万円。
一般的な墓地の種類
①寺院など宗教法人が運営 寺院墓地
②地方自治体などが運営 公営墓地
③宗教法人が事業主で民間が運営 民間墓地
①の場合は檀家、②と③は宗派は問わない。
そもそも、お墓は好きな場所には建てられない。
「墓地、埋葬等に関する法律」(昭和23年制定)によれば、墓地は都道府県知事が許可した区域でなければならず、墓地の経営・管理は永続性や非営利性が求められるため地方公共団体や宗教法人に限られる。
よく田舎などで見かけるお墓は、みなし墓地。“墓埋法”制定前からあった私有地や集落の一角にある墓地。
最近はいろんなお墓のタイプがある。
◆樹木葬
樹木を墓標代わりに、多くの人々と一緒に遺骨を袋に入れて、土の中に収める方法。やがて自然と土にかえるしくみ。
先祖代々という家族の永遠性というものが見込まれない時代に、自然の永遠性、自然に囲まれたゆったりした環境で、自分の見知った人達、自分が出会った人達がお墓参りに来てくれればいいとうもの。
◆散骨
船の上から海に向かって遺骨をばら撒く。自然にかえりたいという人が多いらしい。
◆機械式の納骨堂
会員カードをかざすと、自動オートメーションで遺骨が運ばれてきて、お参りできる。裏側を拝見すると、まるで立体駐車場のシステムのよう。
◆送骨
あるお寺には全国から引き取り手のない遺骨が郵送されてくる。永代供養墓に収められる。
◆アメリカでの宇宙葬
ロケットで地上100kmまで遺骨が打ち上げられて散骨。お墓に拘らないというスタイルのひとつ。
そもそも、この“散骨”について・・
お墓の法律に詳しい星野宏明弁護士によると、まず“散骨”は合法か?違法か?ということについては散骨は合法とも違法とも断定できないと言える、散骨が法律上 問題になるかどうかは2つの法律が関わってくる、ひとつが「墓地、埋葬等に関する法律」で厚生労働省が所管、見解としては「散骨は法律上 想定も規定もされていないので違法と判断はできない」というもの、もうひとつは遺骨の遺棄を禁止した「刑法190条」で法務省が所管する法律、こちらの見解では「善良な宗教感覚などを保護することが目的なので“節度”をもって行われる限り問題ない」としている、この“節度”の解釈がグレーゾーンと呼ばれる原因となっているのでは、つまり法律上は「違法性はない」となるが社会通念上の“節度”は守らなければならない、とのこと。複雑そうだが、グレーなのね。
お墓というのは、埋葬された方に関わった方の精神的な拠りどころになっているという側面もあるので、残される側のいろんな選択肢が出てきて、選ばれる方自身、自分はどうしたいのかということと、なにより、家族、周囲の方々と議論して決めていく必要があるとのこと。 (完)
で、話がもどりますが、姉弟でお墓参りを済ませた後、ホッとしたのか、この先どちらか残った方が考えることにしようか、という結論に達したのであります。Kくんが結婚
する可能性はまだゼロではないですしね。私自身は散骨して貰えればそれでいいかなと今は思っております。これを一般的には“先延ばし”というのでございましょう。
日々感謝です。