今日も、生涯の一日なり

自分軸で生きると決め早期退職した50代独女のつぶやき

NHK「ドキュメント72時間〜巨大団地 中古ショップでハロー・グッバイ〜」を観て。

こんにちわ、SUMIKICHIです。

最近よく観る「ドキュメント72時間」。今回は〜巨大団地 中古ショップでハロー・グッバイ〜。東京の郊外、20万人以上が暮らす多摩ニュータウン。その中心にそびえ立つ、売り場面積1500坪の巨大中古ショップが舞台。フロアを埋めつくす60万点の商品のほとんどが、不用になって持ち込まれたモノ。そのひとつひとつに込められたストーリーもある。それらを手放す時、人は何を思うのか?というもの。ざっくり備忘録しときましょ。

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◆書籍コーナーの赤川次郎の作品群の前に座り込んでスマホ画面を覗き込んでいる女性手持ちの作品をスマホで撮って確認しながら物色中。これまで600タイトルも出ている人気作家の小説を30年かけて買い漁っている。ほとんど100円(税抜)。古い作品がこれだけ揃うの場所は滅多にないそう。

 

◆ベルトが壊れて買いに来た女性事務員 22歳
ニュータウンで生まれ育ち、物心ついた頃からお店に通っている。私、新品はあまり得意じゃなくて、自分の手で新しいものを汚したくない、だったら、人が汚したものを使うっていう。今着ているもの、持っているもの全て新品じゃない、ユーズド。使いやすさとお金の面でもいいし、自分なりの合理性を求めた結果、中古品に辿り着いたってのがあるのかも」
気軽に手に取れる何とも言えない安心感。古着に求めるものはオシャレだけではないみたい。新しいものじゃなくても生きていける。

 

◆壁一面のくつを見ている家族 父・会社役員 47歳
「新品とかにこだわりはない、子どもはすぐ足が大きくなるし、壊れちゃうし、これで十分。今はモノにお金をかけるより、養育費とか塾、スポーツ教室を一回増やしてあげたりとかの方がいいんじゃないかな。僕(父)自身の欲しいもの?無いなぁ。家族でファミレスとかもいらない、僕のヘアカット代も1,000円だし、もう質素ですよ」

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 ◆高級そうな皮のカバンを持ち込んだ男性。20年使用したもので300円。
  〜店に並ぶ品の99%は客からの“買取品”、
            使用年数やブランドから査定額が決まる?〜

 

◆「こちらのプリンターは、インクがほとんど入っていなくて、動作確認が出来ませんのでお値段が50円となっております」
  〜“捨てる感覚”で不用品を持ち込む人も〜

 

◆「フェラガモなんですけど、使う機会がないんで。どんどん物が増えてきちゃうし、いつまでも持っていても仕方ないかなと思って」
  〜ショーケースに並ぶのは華やかな時代の夢の跡〜

 

◆「使っていて手首が当たっているから色が変わっちゃってる、これ(ギター)使われていたんだみたいなカッコよさ、味」
  〜過ぎ去りし時に 若者たちが手を伸ばす〜

 

◆閉店時間ギリギリまでショーケースを覗き込む女性
随分買い込んでいる。靴やブランド雑貨15,000円分、子育てが一段落し友人たちと出かける回数も増え、それ用のグッズ。「看護師なんですけど、夜勤明けで寝ずに来ました。離婚していたので子ども三人を育てるには、資格を取った方が良かったですね、収入的にも。今日は午後3時から来てずっといましたね、5時間位」仕事に追われ、ゆっくり買い物もできなかった生活、今は存分に楽しむ。


  〜誰かにとって不用でも、誰かにとっては大切なモノ 
                   不思議な縁がここにはある〜

 

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◆開店と同時に段ボールの山が届く。出張買取サービスで買い取した物がセンター(本部)から送られてきた。高齢化が進む多摩ニュータウン、不用品を引き取ってほしいという依頼も増えている。今多いのは遺品。当時50万円のギターなどはそんなに値が落ちない。

 

父親が亡き後の実家から出た物を売りに来た ソフトウェア関連の男性 56歳
父親が買った調理器具など大量に持ち込む。「捨てるのはもったいなくて、少しでもお金になればと思って・・全部で130円だって。そんなもんかって感じですね。父の思い出?ないない」

  〜捨てるのも残しておくのも忍びない 
         そんな気持ちを引きとってくれるのも中古ショップ〜

 

◆男性介護士 42歳
「生まれてからこの近辺に住んで、10年前からここに通い1,000冊を超える本を売り買いしてきた。棚を眺めていると世の中の流れっていうか、流行り廃りで出てくるものが思いっ切りわかりますよ。(客は)本当に飽きっぽいです。漫画なんか、ドラマ化されるとなると、軒並みなくなりますね、終わるとまた出てくる。世の中の流行に敏感だし流されやすいのが多摩ニュータウンの特徴じゃないですか」
  〜物の流れが映し出す うつろいやすい人の心〜

 

◆スポーツ関連の営業 男性41歳
キーボードスタンドなど音楽機材を山のように持ち込む。「ちょっと思い切って、朝、断捨離しようと思って。今流行ってますよね、捨てた分だけいろんなものが入ってくるって聞きますよね」高校時代から一時はプロを目指して揃えてきた機材、25年の青春が染み込んだ品々、ついた値段は、少ししょっぱそう。奥さんは、「これなんか、思い切って、頑張って買ったんだっていってたよね」と話しかける。「手放した途端、少しずつ懐かしい記憶が込み上げてくる、そう思い出すと心苦しくなる。僕みたいに、音楽を始めようという人がいたら嬉しいですね、きっかけになれば」

〜物との別れを繰り返しながら また人生はめぐっていく〜

 

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◆自動車会社マネージャー 男性53歳
平日なのに、ここに来てダイビング用品を見ている。「仕事をし過ぎて病気で(会社を)休んでいたんです。やっとOKが出て、これから打合せ。忙しい業界なのでちょっと無理しちゃったかな」30人の部下を抱え、残業続きだった日々、10ヶ月休んで手に入れたのは、少しのゆとりと好奇心だった。「一週間前に屋久島に行って、ウミガメを見たらはまってしまって、ああ、これはやってみたい(スキューバーダイビング)と。新品じゃなくて、お試しでいいんです」これからまた、ひとつずつ生活を積み上げていく。

 

◆スキーのプロコーチ 男性53歳
ブランド品コーナーで商品のやりとり、「あってもしょうがないので、1,100円でいいです」とちょっと投げやりな感じ。「離婚するんです。お互いの荷物の区分け中で、大量に出てきたいらないものは売ってしまおうと。冬は雪山にこもりっきり。気づけば家族との溝が大きくなってた。スタート地点では1度のズレだけど、20km先に来たら2,000m離れてます、そういうことなんじゅないかな」

カウンターをまわり、持ってきた品を順番に売っていく。嫁のスキーブーツ、テニスラケット2本、たこ焼き器など。「子どもが小さい時は、喜んでチーズやサーモンを入れたり、子どもってタコじゃないものを入れて、遊び半分で焼きたがったりしてた」家族のために、ひとつずつ物を買い揃えてきた19年。「家族を持って、家を建ててと、一応人並みに頑張って標準ルートに乗ろうとしてみたけど、乗りきれなかったかな」思い出の品が全部合わせて5,000円ほどだった。

「今一番大切にしてる物?特に執着してる物はないな・・あ、あれか、子どもが小さい時に、父の日にくれた肩たたき券とかハンカチと靴下セット、靴下はボロボロになってるけど捨てないで取ってありますね。みんなひとつのお菓子の空き缶の中に入ってるんですけど、第三者から見たらただのゴミでしかないかもね。あれは取っておくかな」

  3日間の買取品 22,417点
      販売品 14,196点            (完)

 

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私も、断捨離したとき、書籍類やCDなどを大量に持って行きました。その際につけて頂いた値段を見て、もう無駄遣いはやめようと心に誓ったのを覚えております。そして、ちょっぴりの寂しさも。逆に、つい先日必要に迫られ、芥川龍之介の「蜘蛛の糸」を108円で買いましたが、なんと、定価がそれとたいして変わらなかったのでございます。ならば、朗読会初日の予習用ですから、縁起もの(?)として新品という手もあったかしら、とちらっと思いましたが、レジのお姉さまに手渡した直後でしたので諦めました。人の手で汚れてた方が使いやすい、安心するという女性が登場してましたが、ほぉー、そういう価値観もあるのかと新鮮でございました。ユーズドというより、ヴィンテージ感覚でございますね。

それと、中高年以降になりますと、目に見えるモノよりも、見えないモノ、カタチのないモノが大切に思えるってことありますよね。人間、日々目にしなくなると、どんなに大切で大好きだと思っていても、徐々に忘れてしまいますが、それでも忘れないで心に残っているものは、どんどん想いが深くなる気も致します。ここで気をつけたいのが、勘違いして変質する恐れがあること。人生、本気でやり直したいときは、一切合財捨てたら良い!居候Kくんにも、半ば強制的に執行、なんて姉だ。番組を、いろんな想いがあるなぁー・・・って興味深く拝見しつつも、他人ごとではない!と親近感を覚えたのでございました。

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日々感謝です。