今日も、生涯の一日なり

自分軸で生きると決め早期退職した50代独女のつぶやき

Eテレ「オイコノミア〜分かって得する!原因と結果の経済学〜」を観て。

こんにちわ、SUMIKICHIです。
レギュラー視聴しているEテレ「オイコノミア」。今回のテーマは〜分かって得する!原因と結果の経済学〜。テレビを見ると学力が下がるってホント?もっともらしい通説に惑わされると時間もお金も損しちゃう!原因と結果を正しく見極める、とっておきの方法を経済学が伝授!指南役は、慶応義塾大学準教授の中里牧子さん。ざっくり備忘録しときましょ。


「テレビを見ると学力は下がる」って正しい?
アメリカで行われたある研究だと、‘幼少期にテレビを見た子の方が成績が高い’という研究がある。もっともらしい通説ほど疑って疑ってかからないといけない。そこで今回のキーワードは・・

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この“原因と結果(この原因があるからこの結果になる)”の関係を明らかにすることを“因果推論”と呼ぶ。アメリカの大学では、大学生の時にちゃんと勉強するが、日本ではなかなか行われておらず、あいまいなまま通説が語られる傾向にある。そこで、通説に惑わされて損することがないように・・

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因果関係って、どうやってわかる?

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調査によると確かにそうなっているが、経済学者は、見せかけの相関と呼んでいる。まったくの偶然。

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次に

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体力がありさえすれば全く勉強しなくても学力が上がるか?体力と学力の間には直接的な因果関係はなく、間に第3の要因がある可能性がある。

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この場合考えられる第3の要因の例として‘親の熱心さ’がある。

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幼い頃からスポーツ教室や塾に通わせたり、子どもも体力があればこなせる。この第3の要因を見落としてしまうので錯覚する。

 

続いて

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経済学者スティーブン・レビットの研究で、警察官の数を増やすと犯罪件数は減少するという結果がある。

因果関係のチェックポイントをまとめてみると 

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ひとつでもあてはまると因果関係ではない。


他にも、親とかに言われて信じてきたこともある。「早く寝ないとおばけが出るよ」など。となみに、このように恐怖を与えてしつける教育法を“スケアード・ストレート”というが、アメリカの研究で逆効果という結果が出ている。原因と結果を検証しない教育法は期待した効果が得られない可能性がある。

 

なぜ人は因果関係があると思い込むのか?
ポイントが2つある。一つは・・

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つい自分の周囲、半径5mという狭い範囲で起こった出来事に非常に影響をうけてしまうことがある。事例として、今政府で議論されている“受動喫煙防止法案”。厚生労働省健康被害を生む“受動喫煙”をなくすため、飲食店の屋内を原則禁煙とする対策を考えた。しかし、猛反対しているのが、自民党たばこ議員連盟(主に愛煙家が加盟)の方々。なぜ?

日本での喫煙率は、一般の方でみると19.3%(2016JT調べ)、国民の80%は吸わない。ところが、自民党議員の7割弱がたばこ議員連盟に所属。このたばこに関する規制は日本では緩くて、政治家には喫煙家が多いので、日本全体ではなく自分の周囲だけで判断してしまってる。

 

二つめ・・

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さくらんぼを摘むとき、熟した実だけを選ぶことから名付けられた。

 

2016年、国立がんセンターがある成果を発表。

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一方で、受動喫煙防止法を施行すると、‘外食産業 8,401億円減収?’といった内容の記事が報道。どちらが重要なことを言ってる?自分の立場によって、どちらを信じたいかが決まってくるが、この二つの研究は決定的に違っていることがある。

国立がんセンターの方は、複数の研究を統合し、受動喫煙と肺がんの因果関係をあきらかにしようとしたもので、その結果、肺がんのリスクは確実と結論が示された。

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一方、減収見込みの記事については、飲食店に売上予想を聞いたということで、受動喫煙と売上の間に因果関係があるとは結論付けることは出来ない研究。

 

実は、海外で行われた様々な因果関係を調べた研究によると、喫煙規制で飲食店の売上は減らない、もしくは増加という結果が多くなっている。たばこを吸わない人が圧倒的に多いから。法律は、今年の通常国会には提出されなかった。飲食店への影響が危惧される声が自民党内で上がっている。そのことによって、国際的な標準や健康被害を冷静に判断することができなくなってしまって法整備が送れているのではないかと専門家はみている。

 

もっともらしい通説と同じくらい私たちが影響されるのが、成功した人の経験談。息子をいい大学に入れたとか。これって因果関係ある?

指南役とも仲の良い、元陸上競技選手・為末大さん曰く「ウサイン・ボルトのまねをしても ウサイン・ボルトにはなれない」。含蓄のあるお言葉。

個人の経験談は再現性が低いので一般化するのが難しい。経済学者がどうしているかというと、大量に集めた個人データから因果関係を統計的に検証している。

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 原因と結果を正しく見極める“因果推論”。なぜ経済学が注目するのか?
これは健康に良いといわれて因果関係を調べず食べ続けたらお金と時間が無駄になつてしまう、知っていれば限られた時間とお金が有効に使える、と考える。

ゲストのハライチ・岩井さんはギャンブルが好きで、原因と結果ばかりを気にせず、自分の楽しいことにお金を使おうと思っても、そのお金の使い方は楽しい!に結びつくのか?ってことですね、と言うと、指南役は、その場合、楽しい!が結果なのでそれはそれでいいんだと思うけど、儲かる!に設定するともつと他に良い投資先があるってことでしょうか、と答える。

 

どうしたら原因と結果の関係を知ることが出来る?因果関係を考える時に大切にしている考え方がある。

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例えば、テレビを見ることと学力を確かめるためには、ある子どもが見た場合と、反事実の見ない場合で過ごしたときの学力を比較すればいい。実際には難しいが、因果関係というのは結局のところ、事実と反事実の比較。

じゃあ、検証出来ないということ?
だから、“因果推論”を提唱した。ハーバード大学統計学者、ドナルド・ルービンは、この反事実の考え方を因果推論の根本問題と言って、どこまで行っても私たちは反事実というものをあきらかにすることは出来ない。

ならば、テレビを見るのと学力の因果関係はどうしたらいい?
別の子どもで比較するのは意味がない、理想は同じ子どものコピーを作って比べること、どうすれば近づけるか?そこで、経済学者は、たくさんの人を集めて、似たような集団を作り、片方ほ反事実の状態にして比べることを思いついた。

指南役の大学で、期末試験前に生協で販売される‘単位パン’を食べると単位が取れる?検証実験をしてみた。クラスを学生番号の下一桁が偶数か奇数かでランダムに二つのグループに分け、片方だけ単位パンを食べて貰う。このランダムというのは、でたらめという意味ではなく、無作為、数が多ければ多いほど調整されるらしく、この二つのグループは専門用語で比較可能とのこと。結果は、

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残念ながら差はなかった。売店からクレームがきませんか?と又吉さんと岩井さんは心配する。

 

しかし、この方法でいつでもなんでも出来るわけではない。肺がんとたばこの因果関係を知りたいからといって、たばこ吸ってとは言えない。だから、実験が倫理的に不可能な場合、自然実験という方法を使うことがある。わざわざランダム化比較しようとしたわけではなく、たまたま実験が行われてるかのような状況を利用して統計的に捉える方法。

テレビの例でいうと、ある時アメリカでテレビ局の免許がストップしてテレビが見れない地域と見れる地域が出て、学力を比較した結果・・

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これは、テレビと学力向上の間には因果関係があったと判断できる研究ということになる。(そうなの?)

 

他にも自然実験的に進んでいる研究がいくつかあるが、今、“育児休業の延長問題”が政府から出ている。

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育児休業が一年半経った時点で保育園などに入れない場合、さらに半年延長できる。

女性が復職しやすくなる?
海外では育児休業を延ばすとお母さんたちの復職率が高まるかどうか、自然実験的に調べた研究がある。オーストリアでは、1990年7月1日から育児休業期間を1年から2年に延長。研究者は、ほとんど同じ時期に出産したのに育児期間が違う両者に注目。
    6月出産  育休1年の母親
    7月出産  育休2年の母親
それぞれの復職率を比較。その結果、育休2年の母親の復職率は10%以下。

育休が延びると下がってしまう、なぜ?
自分のスキル、人間関係というのはほとんど減耗してしまう、だんだん職場にもどり辛くなるのではないかと言われている。

指南役は、この事例が重要だと思うのは、因果関係をちゃんと検証しないと、よかれと思った政策が期待しない結果をもたらして大きな損失を招くかもしれないからだと話す。オーストリアでは結果は反映されたが、日本では未だ議論されている。最近、経済学者は、科学的根拠に基づく政策をすべきと思っている。

 

自分達のところに届く情報は、因果関係があきらかになっているものだと信じているが、もう少し疑ってみた方がいい、反事実を想像するトレーニングを日頃からしておこうとのこと。テレビを見ていて学力の低いうちの子が、テレビを見なかったらたちまち学力上がるとはいえないな、くらいは想像できるよねとも。

最後に、又吉さんの経済ポエム・・因果関係がない、と、60年後に知る   (完)

 

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『原因と結果』関連の著書やお話はよく見聞きします。そして、“テレビを見ると学力が下がる”みたいなことは、私も子供の頃よく言われてましたねぇ、その時は“テレビばかり”の“ばかり”という表現でしたでしょうか。まぁ、今思えば、見てばかりでいると自分で考えなくなるよ、ということだったのかなと勝手に解釈してます。

各事象が正しいのかそうでないのかは、今の私には必要なくて、私の知らない世界の人たち、いわば、世の中に影響を及ぼす能力のある人たちかな、その人たちが、何をどういう風に、何を基準に研究してらっしゃるのかを教えて貰えるのはとても興味深いです。毎回番組を観る時間は、私は学生時代に何を学んでいたのかな、バイトばかりして無駄な時間を過ごしたのかな、いえ、過ごしたんだと猛省の時間でもあります。

今ある自分の境遇も『原因と結果』(因果関係)に基づいてるんでしょうね。って、あまり深堀りすまい。そうそう、育休期間延長すればするほど復帰率は下がると、個人的には思います。マラソン走ってて、一旦足を止めたら走り出すのはきつい。そこを乗り越えたらまた走り続けられるとは思いますが。ふと、逆に、復帰率が下がった方が喜ぶ企業もあるのかなと疑心暗鬼になったりして。まだまだ日本社会は保守的だから、若手を入社させた方がいろんな意味でメリットあると考えてたりして。いけませんねぇ、長く生きてるとこんなひねくれ者になってしまいます。にしても、諸刃の剣、ですね。 

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日々感謝です。