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自分軸で生きると決め早期退職した50代独女のつぶやき

Eテレ「オイコノミア〜お笑いで読み解く! 貿易の経済学〜」を観て。ただただ懐かしい・・。

こんにちわ、SUMIKICHIです。

レギュラー視聴しているEテレ「オイコノミア」。今回のテーマは〜お笑いで読み解く! 貿易の経済学〜。1960年代から現在までのテレビを中心とした「国内東西お笑い史」を題材に、貿易の古典的理論からノーベル経済学賞候補の新理論まで学ぼうという前代未聞の大胆企画!という内容。ゲストはラサール石井さん。ざっくり備忘録しときましょ。

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貿易というと、国と国の間でモノが行き来することを思い浮かべるが、サービスもその対象。東西のお笑いで考えると、大阪の芸人が東京で仕事をするのは、大阪から東京へのサービスの輸出(今回は、東西それぞれを一つの国として考える)。また、消費者が移動するサービス貿易もある。例えば、日本人が海外旅行に行く場合、その国の観光サービスを受けることになる、これは日本がサービスを輸入していると経済学では考える、逆もしかり。私たちが想像する以上にいろんな貿易のかたちがある。


では、お笑いの歴史をみていく。

【1960年代〜】
東京・・1966年結成 コント55号
    1964年結成 ザ・ドリフターズ
大阪・・1966年結成 横山やすし・西川きよし
    1966年デビュー 桂文枝(三枝)

この頃は、東西交流はなかったよう。いつ頃から交流したか?大阪で1967年から放送した深夜ラジオ番組MBSヤングタウン」で、仁鶴さんや三枝さんが人気となり、テレビ番組「ヤングおー!おー!」スタート、それがまた人気となり、全国ネットになった。大阪発信の番組で、若手芸人の登竜門と言われていた。

 

【1970年代〜】
東西の貿易が始まった。東京は主に俳優さんを主としてドラマを制作し、大阪に輸出。大阪はお笑いが得意で芸人を東京へ輸出。それぞれの地域で得意なものを輸出し合っている。こういう貿易のことを・・

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19世紀、イギリスの経済学者・リカードが唱えた。大阪は、俳優よりもお笑い芸人に比較優位があって、東京はその逆。絶対優位ではない。わかりやすく言うと、例えば、ひとつの番組に芸人と俳優の両方が出る場合、番組の出演料を生産性とみなして考えると、仮りに大阪で養成された芸人の生産性は300、俳優の生産性は200、一方、東京の俳優は200、芸人は100とする。もし、大阪で俳優も芸人も要請すると、大阪の生産性の合計は500、東京は300。

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大阪は豊かだからこのままでいいかな、東京もまあいいかなとは思うが、実は、大阪の人は俳優にならずにみな芸人になり、東京の人は芸人にならずに俳優になる、そして需要ににって大阪の芸人は東京に輸出、逆もありとしてみたら・・

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お互いが得意なことに特化して貿易すると、大阪の人の生産性は600、東京の人は400になる。ということは、大阪も東京も得をする。

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ここで、日本で実際に行われているサービスを利用している例の紹介。フィリピン人女性の家事代行サービス。フィリピンは世界でも有数のサービス輸出国。英語を話せる人が多く、現在の人口の10人に一人が国外で働き、GDPの約1割がサービス輸出の収入。フィリピン政府も国外で働くことを積極的に進めている。また、養成学校や国家資格を作り、世界中に質の高い家事代行サービスの輸出をしている。日本で利用する人は、日本人だと年上の方が来られて頼みにくいのとフィリピンの方なら慣れてらっしゃるからということで人気が高い。さらに、子供の英語教育のため英語が話せる点が良いらしい。この家事代行サービスは日本政府も注目しており、今年3月には家事支援を目的とした在留資格を持つフィリピン人25名が来日。

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話しは戻って

【1970〜80年代】
1970年代後半に人気だったテレビ番組「8時だヨ!全員集合」「欽ちゃんのドンとやってみよう!」など放送。萩本欽一さんやザ・ドリフターズの番組、北野たけしさんのツービートが1973年結成。東京のお笑いもこの時期どんどん発達。ただしネタ番組ではない。大阪はこの間、どんどんネタを作っていて、それをフジテレビが目をつけて、東京の番組に呼ぶ、ここに火が点いて1980年代の漫才ブーム到来。火付け役となった番組が「THE MANZAI」。これにより、大阪のお笑い芸人が一気に注目を集めると、その多くは活動の場を東京に移し、東西の芸人が全国ネットの番組で一緒に活躍するようになった。

その頃、さんまさんは大阪ではスターだったが、MANZAIブームが過ぎ去って先輩たちが疲れたころが自分の出番だと、力を蓄えていた。そして、「笑っていいとも!」の前身番組「笑ってる場合ですよ!」で東京に来て、通いは効率悪いからと東京に移り住んだらしい。東京に居を移したのはさんまさんが最初の人。

この頃になると、大阪の芸人だけではなく、東京の芸人も活躍するようになった。全国ネットだから大阪の人も東京の芸人を観るようになった。ということは、お笑い先進国同士が、同じお笑い貿易をし始めたということ。これ、大阪の人にとってみれば、東京にも大阪にもお笑いがあるのに、どうしてわざわざ貿易をするのかという気持ち、これを経済学で説明すると・・アメリカの経済学者 ポール・クルーグマンは先進国同士が、同じ産業で貿易する理由について考えた。

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お笑い芸人がたくさんいたら質が上がっていく。そして、東京と大阪の目指すお笑いはタイプが違い、視聴者はどちらも見ることができる。こんなふうに産業内でも貿易が行われるようになった、これが新貿易理論。こんな東西のお笑いが融合した番組としてブレイクしたのが「オレたちひょうきん族」。

 

【1990〜2000年代】
お笑い界で様々な芸人が活躍するようになつた時代。ウッチャンナンチャンダウンタウンとんねるず、ナンティナインなど。経済界では、メリッツが提唱した貿易理論が注目を集めるようになった。

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これを考えた人は将来のノーベル賞候補じゃないかと言われている。きっかけは、2000年にアメリカで行われた調査。アメリカで創業している約550万の企業の中で、輸出しているのはわずか4%、さらにこの中の上位10%が輸出総額の96%を占めていることがわかった。つまり、貿易で利益を得ているのは、輸出大国と言われた国でもごく一部の企業に過ぎず、多くの企業は貿易を行っていなかった。生産性の低い企業の多くは輸出企業としては参入できないし、してもすぐ撤退する。

この構図はお笑い界に似ているよう。たけしさんやタモリさんたちが頑張っていて世代交代ができていないと言う。この頃、人気芸人は番組の司会もしたり、冠番組を持つことが増えていった。「ぐるぐるナインティナイン」「ダウンタウンガキの使いやあらへんで」「ウッチャンナンチャンウリナリ!」「とんねるずのみなさんのおかげでした」など。売れる芸人が増えても、そうでない芸人もいる。これをどうやって“新々貿易理論”で説明するかというと・・

まず、移動しなきゃいけない、例えばその舞台まで行く交通費があるかどうか、そのコストを超える生産性があるかどうか。もうひとつ、一度移動したらたくさんの仕事が出来て、人気が上がる、大きなマーケットが広がる、そのラインを超えるか超えないか。つまり、貿易をする企業としんい企業で格差が生まれる、これが“新々貿易理論”。

これが、大阪芸人が東京に住むってことらしい。さらに進むと、大阪は芸人を送り込んだだけじゃなくて、東京にも養成所とか事務所を設立したりする。

では、ここまでのおさらい。

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ここまでは、何の制限もなく芸人が自由に行き来できる“自由貿易”。ところが、この逆を行こうとする流れが。アメリカ大統領のトランプ氏は一貫して唱えているのが“保護貿易”。この政策もお笑いで読み解くと、国内・国外にどんな影響をもたらすのかがよくわかる。東京国の大統領がトランプ氏だとすると、大阪国からどんどんやって来る芸人に対して、壁を作ったり、東京で仕事をする際に税金をかけたり、こうなると、税金を上乗せしたギャラになり、東京のTV局からすれば高いので、結果大阪の芸人を呼ばなくなる。

実際の貿易だと関税のこと、輸入品には高い関税をかけて自分の国の産業を守ろうとする、トランプ氏もアメリカ産業を守ろうとしている。さらに、参加予定だったTPP(環太平洋パートナーシップ協定)からの離脱を表明。保護貿易を推進することでアメリカの失業者を減らし、雇用を増やそうと考えている。

しかし、こうした政策は本当に有効なのか?
お笑いの話でいえば、面白い人が東京に来なくなり競争が減り笑いの質が低下、東京の芸人の仕事は増えるかもしれないが全国ネット番組の質も下がるかも、すると困るのは視聴者、質の低い番組は視聴率も下がるから、ギャラも下がるかも、そして国民の所得も下がっていく可能性も出るという話。

トランプ氏の話に戻ると、自由貿易よりも、国民の所得が下がる可能性があっても保護貿易による雇用の確保を目指している。

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スタジオでは、5年後、10年後のことを考えると自由貿易の方がいいんじゃないかと思ったりしますけどね、と話している。

又吉さんは、お笑いの場合は、食べるためにやっているというよりは、好きなことで食べてたいという人たち、本当に食べれなくて生きて行くために他の職業を選ぶのも一つの手、そこがわからないと別のチャレンジもできない、また、すごい人は入って来ないで、こっちはこっちでやっていくからと同じメンバーでやっていって、果たしてお笑い界の進歩や劇場にお客さんを呼べる可能性があるのか、ですよね、と話す。さらに、その中にもし、自分が入れないんだったら別のチャレンジをするタイミングなのかなって考えておかないと、ほかに、ライバルは貿易だけじゃない、娯楽はお笑いだけじゃなくて、ゲーム、スポーツ、音楽などたくさんあり、ブームを終わらせてしまうと才能を持って行かれる、と付け加える。  (完)      

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この「オイコノミア」、一般常識として知られている事が多いのかもしれませんが、私には初耳ネタが結構ありまして毎回丁寧に工夫されているなと思います。お笑い大好きで、コント55号やドリフの番組なんてリアルタイムで観てまして、貿易とは関係ないけれどとても懐かしゅうございました。

備忘録には綴ってませんが、ラサール石井さんと又吉さんのさんまさんネタに笑えました。ある番組で、たけしさんが、さんまさんのそばの床にそっとバナナの皮を置くのを、さんまさんは何気に横目で密かに見ていて、ひとしきり喋って、立って歩いて、あららと滑る、また、置く、横目で見る、滑る、今度はさんまさんが、たけしさんのそばにそっと置く、密かに横目で見ておく、滑る・・滑るたびにドカンドカンと笑いが起こる・・この二人のアドリブで10分間笑わす光景を見た石井さんは、凄いな、俺、ついていけない、と思ったらしいです。

又吉さんは、さんまさんとコントをする機会があり、本番5分前にコレとコレとコレって振りを言われて、スタッフさんも大騒ぎ、おいっ、又吉、大丈夫かっ?応えられるかっ?って、で、少し僕をひとりにして下さいっ!と言って一生懸命考えて、紙に書いて持っていたら、本番寸前でさんまさんに、おまえ、こんなん見んとアドリブでやれっ!って取り上げられたと話していましたが、これには笑うというより、笑いに命賭けてる感が伝わってきました。

ん?今回は、私にとりましては、ホント、貿易より、お笑いのおさらいの回でございました。

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日々感謝です。