今日も、生涯の一日なり

自分軸で生きると決め早期退職した50代独女のつぶやき

Eテレ「オイコノミア〜もしもあなたが“難病”になったら…〜」を観て。難病にならなくてもマイノリティーな私。

こんにちわ、SUMIKICHIです。

レギュラー視聴しているEテレ「オイコノミア」。今回のテーマは〜もしもあなたが“難病”になったら…〜。ざっくり備忘録しときましょ。

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2014年放送「サッカーを経済学で読み解く」で、又吉さんと一緒にサッカーをされた東京大学教授で経済学者の松井彰彦さんが、一年前に『心サルコイドーシス』という心臓機能が極端に低下する原因不明の難病を発症。発症率は100万人に1〜2人と推定。脈拍が30位で階段も上がれなくなり、ペースメーカーを埋め込んで現在はなんとか日常生活は送れている。

この難病という病、ひとつひとつは患者数が少ない、言ってみればマイノリティー(少数者)が世の中にはたくさんいる。松井先生は、このマイノリティー(難病患者や障害者含めて)について経済学で研究してきたが、まさか自分が罹るとは思ってもみなかったという。

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そもそも、難病って?
WHO(世界保健機構)によれば、世界に5,000種以上あるとされている。日本では厚生労働省によって現在330種類が難病指定されていて、患者数は約92万人にものぼる。日本の難病患者さんはどのような生活を送っているのか。

例えば、松井先生の研究仲間の大野更紗さんは、24歳の時に原因不明の難病『皮膚筋炎及び筋膜炎脂肪織炎症候群』を発症。本来自分の体を守ってくれる免疫システムが機能不全になる、10万人に2人程度の病気。大野さんは、難病になったことをきっかけに、今は難病患者の生活や治療制度について研究している。同じ病院に入院しているのに国の医療制度を利用できる患者とそうでない患者がいるのはなぜなのか、どういうふうにしてこの不思議な制度ができたのかと。

日本では、医療助成の対象になるのは“指定難病”。主に次のように定義されている。

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つまり、10万人ちょと。この他にもいくつかの条件が設定されていて全て満たさないとダメ。“指定難病”は医学的な定義ではなくて、社会的な定義。

お二人とも一見お元気そうに見えるが、松井先生は、ステロイドとその副作用止めの薬など5〜6種類を毎日飲んでいて、大野さんは以前より症状がだいぶ落ち着き薬の量が減ったが、専門病院に定期通院している。難病は完治が見込めず生涯にわたって治療が続くことが多い。

では、難病の治療費を経済学で考えられる?
ひとつは、医療保険。といってもいろんなタイプがある。

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実は、【B】タイプの保険だけで難病の治療費を補うのは難しい。難病は交通事故にあうもの、くじを引くようなものだと考える人が増えると、日本の医療保険制度や【A】のような大きなリスクに備える保険商品が生まれてくるかも、と松井先生は話す。

 

難病の治療には他にも問題がある。診断が確定するまでが大変。大野さんは、いろんな病院や科をたらい回しにされ病名が確定するまで一年以上かかった。確定しても専門医が少なくなかなか巡り会えない。

松井先生は、こういった状況も経済学の分析対象で、丁度自分が研究している分野だと言う。

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            ↓

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この理論は、2010年ノーベル経済学受賞の新しい考え方。市場でみんながウロウロしながら自分に合った相手を探すという状況が、まさに難病患者さんとかに有効な理論。そして、ある程度病名がわかり、専門医を探すとなったら、ネットやコミュニティなどで自分はこういう病気です!と“フラッグ”を立てて出会いやすくする。

 

大野さんは調査で、この“フラッグ”を立てるという行動をしている患者・織田友理子さんに出会った。織田さんは、15年前、体の中心から遠い部分の筋力が弱っていき、ついには寝たきりになるという難病『遠位型ミオパチー』と診断された。日本の人口の0.00000319%、全国で300〜400人ほどの超希少難病。治療薬はなく、国の指定からも外れていた。生きている間に同病者には会えないだろうと言われてきたが、ネット上で同病者と交流する機会が増え、2008年に患者会を結成。国の指定を認めてもらえるよう署名活動し、こんな患者がここにいると声をあげ問題を可視化することによって人々の共感を得て、約204万人の署名を集め国に提出、2014年に指定難病に認定された。製薬会社の協力を得て世界初の治療薬の開発にも力を注ぐ。「完治するわけではないが、生きている間にどうなるかわからない、希望を捨てなければ好転すると思っている」と織田さんは言う。

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フラッグを立てたことによって、同病者も医者も会社も人が集まってくる。

フラッグを立てるには?自分が発信するのも大事だが、有力な協力者を見つけるのも大切。大野さんが大学で研究を始めたのは2013年。以来、多くの人が支えてくれた。2年前までは電動車椅子だった。建物の手入口の段差はスロープに、出入口は自動ドアに、トイレは広く、そしてエレベーターも設置。サポートしてくれるスタッフと一緒に改善に取り組んだ。

こうした改善は、自分達だけではなく他の病気の方や障害者の方にも役立っている。ちなみに、駅のエレベータ―などは、昔障害者の方々が頑張って運動し、設置にこぎつけたけど、今ではベビーカーを押す母親が利用したり、いろんな広がりを見せている。マイノリティーへの配慮がマジョリティー(多数派)にとっても大きなメリットになる。

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ここでまた松井先生の研究テーマにもどる。マイノリティーがマジョリティーとどう関わるか、どう社会と関わっていくかという研究。

実は、松井先生は小学生時代、転校が多く、その度にマイノリティー感を味わっていたというのが原点。いじめられないように静かにしているとか。

では、このマイノリティーとマジョリティーの関わり方を経済学で考えてみる。“転校生”を題材に。どうして、転校生というと仲間外れにされるかというと、何となく「あの転校生嫌な感じ」がするから“話さない”、「嫌な感じ」が原因で、“話さない”が結果、という因果関係があると思ってしまいがちだが、そうとも言い切れない。

経済学では、人々のふるまいを“心の中”と“行動”に分け、その関係を分析していく。ここでは、転校生を受け入れるクラスのマジョリティー側を考える。図のように4つのケースに分けられる。

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いわゆる‘いじめっ子’は「差別主義者」。「日和見進歩主義者」は、「差別主義者」のいじめっ子のボスがいたら、それに逆らえない仲間がひきずられる子など。イメージが悪いから差別するというだけじゃなく、最初に差別があるからイメージが悪くなる、ということもある。

最近は、障害者の方も街に出よう!となっているが、この図を使って考えると、“話さない”、要するに、障害者を隔離してしまうと、結局それがいつの間にか、障害者に対する悪いイメージにつながるということも起こりうる。行動が心の中を決めていく、差別が逆に偏見を生む、隔離が偏見を生んでいく。まず心の中があって行動が起こるだけでなく、逆に、行動によって心の中が作られることがある。このような経済学的な分析を、松井先生はこう名付けた。

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そのまま難病にも置き換えられる?
難病だけでなく、被災地と東京、障害者と健常者など、いろんなところで同じような構造があるのでは、と先生は言う。さらに、これが経済学かと思われるかもしれないが、私はこれが経済学だと思っているとも。

経済学は、人間の経済活動の分析というふうに捉えられているが、もとをただせば人間関係をどう科学するかが根本にある。経済学の父と言われるアダム・スミスが200年以上前に言った言葉で、人間関係を考える時は、『共感・・Sympathy』が非常に重要。一旦は、物の生産とか消費などの経済活動に舵を切ったが、現在の経済学は元に戻ってきて、突き詰めると、人間関係を考えないと解決できない問題がたくさんあるという傾向にある。

アダム・スミスの言っている『共感』といのは、ただ単に共感しました、感動しました、の意味ではなく、相手のことを考える、相手の立場に立ってものを見る、味方の人に対してだけではなく、敵だと思っている人に対しても同様に、ということ。難病について、マイノリティーについて、共感について、このテーマをみんなが共有するのが大切。

最後に、又吉の経済ポエム・・・
       まず知らないと考えられないから 知りたい   (完)

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番組で紹介された難病について、全く存じ上げませんでした。しかも指定難病から外れてる病気で補助もなく薬もなく・・賢明に生きてらっしゃる方々のことも。多くを語ることは難しい。けれど、又吉ポエムと同じで、まず知らないと考えられないですね。

そうそう、的外れですが、共感した部分がございました。上記の番組備忘録には綴っていないのですが、又吉さんは、小学生・中学生時代、周囲に染まらず独自の行動をしたり、先生にヘンな質問をしたり、大人しいのに逆に目立つ、というか、浮いていけれど、高校生になってから完璧に個性を抑え込むことに成功して、挨拶もちゃんとして礼儀正しい人と思われていたらしい。そして、芸人になって開放され本来の自分に戻れている、だから、自分はマイノリティーだとずっと感じてきた・・というくだりがあるのですが、ぎょぎょ、私も似たような感覚があるーとちょっぴり驚きでございます。実際、今でもマイノリティーです。50歳過ぎても独身、家族なし、子供なし、退職して無職、ないない尽くし。難病にならなくても(癌体験者だけど)マイノリティー。あっ、似たような境遇の方々、気分を害されたらごめんなさい、あくまでも私のことです。 それでも私は生きて行く・・のです!

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日々感謝です。