中村文則「私の消滅」を読んでみた。ちょっと混乱。
こんにちわ、SUMIKICHIです。
随分前にEテレ「タイプライターズ」で放送されました作家・中村文則さんの特集を観て、即、新刊「私の消滅」を図書館予約したのですが、たしか3百いくらでしたでしょうか、かなりの予約待ちでしたので忘れてまして・・つい先日貸出し可能のメール連絡が届き、早速読ませて頂きました。小説のあらすじは、まとめる力がなく逆効果になってはいけませんので綴っておりません、あしからず、です。
あら、結構薄くて軽い、「教団X」とは違う、が第一印象でしたね。
それと、書きだしの
「このページをめくれば、あなたはこれまでの人生のすべてを失うかもしれない」
の文章をみて、そうそう、番組で紹介されていたこれが気になったのよね、ってことを思い出しました。
集中して一気にではなく、用事の合間に読んでしまいましたので、ちょっと混乱。あの人がああなって、この人はこうなって、こんがらがっていく・・。宮崎勤元死刑囚の分析、マインドコントロール、多重人格等々、それらの分野については、理論としてはそういうものなのかと理解できる(どうかな?)のですが、実感といいますか、心が追いつかないのでなかなか感情移入しにくく、箱(小説)の外から、眺めている感じでございました。
うーん・・番組でご自身が話されていましたが、箱(小説)というより、中村さんが一人外界から遮断されて、自分の意識下に潜っている姿、その時の脳内で渦巻くものを読んでいる感じといった方が適切なのかな。ダメですねぇ、完全に番組に感化されております。
そうですね・・全く的外れだと思いますが、現実で生きるってことは、とても苦しくて、もしこれまでの人生をリセットできたら、生きて行くことが少しは楽になるのかな、実際にそんなことは物理的に無理だから、ひとつの可能性として、記憶をリセット、いえ、ここでは、他人の記憶とすり替え?、ができたら、そしてその方法は、例えばこうすれば上手くいく・・しかし、結末として、それは虚しい、みたいな感じに受け止めました。
最後のあとがきに
「この世界は時に残酷ですが、共に生きましょう」と記されており、ここまでが小説なんでしょうね。
もし、番組を観ていなかったら、一体私は何を思ったでしょうか、わかりません。小説を読んで番組を観る、の流れの方が良かったのでしょうか、わかりません。
日々感謝です。