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今日も、生涯の一日なり

自分軸で生きると決め早期退職した50代独女のつぶやき

NHK「ノーナレ〜諦めない男・棋士 加藤一二三〜」を観て。散った桜の花びらも美しい・・。

こんにちわ、SUMIKICHIです。

少し前、毎週日曜日の午前中に放送している「ワイドナショー」で、藤井聡太くん四段が公式戦16連勝か17連勝達成かのニュースを取り上げてまして、ゲストに棋士加藤一二三さんが出演されていました。私、将棋は詳しくなくて、棋士ですぐ頭に思い浮かぶのは、羽生さん(さん付けはいけない?)くらいのもので、あとは、アニメ「青いライオン」をEテレで観た、知り合いの中学生の息子さんが棋士を目指してて大変そう、そんな程度ですので、加藤さんのことも全く。かなり凄い方のようですのに、ダウンタウンの松本さんが“ひふみん”って仇名で、突っ込んでらっしゃったので驚き。こんなユニークな、TV制作側の大好物そうな人材がいらっしゃるのねと思っていたところ、NHK「ノーナレ〜諦めない男・棋士 加藤一二三〜」というタイトルを番組表で見つけ、迷わず録画視聴いたしました。

この「ノーナレ」、ナレーションが一切ない、新スタイルのドキュメンタリー、ということで興味はあったのですが、観たことは無く、丁度良かったです。ざっくり備忘録しときましょ。印象に残った部分だけで、あちこちに話は飛びます。今回は、深い意味はありませんが、写真少なめバージョンにしてみました。

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SIDE・A 諦めない男①史上最年長の棋士
史上最年少プロ棋士・藤井啓太四段の弁
「76歳とは思えない迫力、でも時折、可愛らしい仕草・・対局中にカバンの中からチーズを取り出して来られて、それを目の前で食べられると、顔を上げて見ないわけにはいかない。・・休憩終了前に、指しました、斬新ですね」

 

SIDE・B 加藤一二三伝説
棋士・内藤九段の弁
「加藤さんは子供の頃から、福岡のダイヤモンドと言われてまして、加藤さんの周りだけが涼しいんですね、冷やっとしてるんです。その時に、‘僕は8割の力が出せたらいいと思って指してるんだよ’と言ったんです。それでびっくりしましてね、天才は涼しいものかという印象だった」

加藤さんは、14歳7ヶ月でプロ棋士に。当時の最年少記録。18歳で八段、史上最速で昇段。“神武天皇以来の天才”と呼ばれ、升田幸三実力制第四代名人曰く“この子、凡ならず”、中原誠十六世名人曰く“加藤さんは雲の上の人だった”と。

羽生さんの弁
「加藤先生はよく色紙で、“直感精読”と書かれてまして、直感を掘り下げていい手を見つけようと、こんなにたくさんの手を読んでいるのか、とか、こんなにたくさんの手が見えるのかというところでのインパクト、衝撃はとても大きかった」

 

SIDE・A 諦めない男②引退の危機
1月12日順位戦。もし負けたら、もし負けたら引退の瀬戸際に追い込まれる一局になる。もともと加藤さんは名人だが、一つずつ段階的にクラスが落ちて、現在C級2組の下から3番目の成績。残念ながら結果がついていかなかった。現役引退が決定した。

 

SIDE・B 支えてきたもの
棋士先崎学九段の弁
「一対一で檻の中に入れられた人間が戦うっていうことなんですよね。相手は必死に勝とうとしてくるからその相手に対して、それ以上の気持ちを持っていないと崩れちゃうんです。だから、そういう意味でみんなあるんだろうと思います、バランスをとるための何かが」

加藤さんは、名人戦にも昭和35年以来出場できず、他のタイトルも獲れないでいた。“このまま指し続けても、この先大きな展開はないな・・”。私は行き詰っていた。このままでは、自分の棋士人生は見えている。なんとか壁を突破し、打開する術が必要だった。“洗礼を受けることで、新たな道が開かれるのではないか?”それが、最初にカトリック教会を訪ねた理由だった。

「本当に祈りの方です。お御堂の静けさの中に身を置いてらして、神様にひたすら時間をかけて本当に心を開放させて祈ってらっしゃる。またやるぞ、また戦うぞという元気と勇気がその祈りから生まれてくると思います。彼が信じて、諦めないで頼み続けたので得られたと思います」と神父さまは言う。

 

昭和57年、42歳でようやくつかんだ名人戦挑戦権。対局相手は中原誠、9期連続名人の絶対王者。両者譲らず、三度の引き分けが起きる異例の展開。史上最長の十番勝負にもつれ込んだ。中原“玉”に即詰めを見つけて、ひょーっと立ち上がる、それから即詰めに討ち取って、加藤新名人が誕生する。その時、すぐに席を立って、ダダダダっと階段を駆け下り、編集部の直通電話から自宅に電話して「お父ちゃん、勝ったよ」と報告した。精神的に苦しかったんだろう、そこから解放された気持ちをまっさきに家族に伝えたかったのだろう。

加藤さんはとても子煩悩。出産時、早く赤ちゃんを見たくて、新生児室のガラス窓に頭をゴツンとぶつけたほど。

妻・紀代さんの弁
「夫の師匠から、勝った時はほっといていいから、負けた時は、すごく大事にしてあげて下さいねと言われたのを覚えていて、負けた日はニコニコして好きなものをお料理して将棋のことは触れないようにしてましたね」

 

SIDE・A 諦めない男③奇跡を信じて
現役引退ニュースについて加藤さんは・・
「現役であるか引退するかに関して言いますと、確かに重症の患者だと思うのね、そうだけども、別に死ぬわけじゃなしんですよ。仮に引退する状況になったとしても順位戦以外に、例えば将棋戦であったり、王将戦であったり、NHK杯戦であったり、たくさんの対局があるんですね。理論としては勝ち続けてタイトル奪取している間は引退ではないんです」

現実的には不可能に近い話だが、そういう風にコメントするところが加藤さんらしいようだ。

飯島七段(B級1組所属の強敵)との対局。加藤さんが猛攻して、飯島さん投了。引退決定直後翌日の史上最年長勝利。
「素直に嬉しいことだと思います。私は今まで2000何局か戦ってますけども、今日戦った作戦は、この中で5局くらいしか指してない将棋なんですね。新しい戦いの展開がまだまだあり、無限です」

 

SIDE・B 将棋という世界
指し手のバリエーションは無限にあるといわれ、10の220乗だとか。例えば、天文学者が扱っている星の数が10の25乗個というのと比べると随分大きな数だ。考えて、考えて、考え抜くというところは天文学者が少ない情報の中で、分からない部分を読み解いていくのに似ている。

また芸術家の要素もあるのかも。例えば、将棋と音楽はジャンルが違えど、こういう曲を作りたい、こういう一局を指したい、後世に残るこの一曲、この一手を、という気持ちは同じかも。加藤さんは、大変なことがあったときに、ベートーベンのピアノ協奏曲第5番を聴いて気持ちを奮い立たせている。

 

諦めない男 最終章

「やっぱり長い年月が経つと、そろそろ新しい風かほしいなとというところが出てくる、言い換えると、それも価値観の入れ替わりだと思うので必要なもの」

対戦相手との対局をコピーして持ち帰る。

「今は研究の時代と言ってもいいかもしれません。私が42歳で名人になったんですけども、その頃に比べると研究時間は3倍くらいに増えています。みなさん、パソコン派ですよね。私はモダン派」

羽生さんの弁
「ある部分テクノロジーの世界なので、新しい技術がどんどん出てきますし、それをどういう風に取り入れていくかということも、とても大切なこと。一方で、加藤先生が、これだけ長きにわたって続けてこられたのは、小手先の目先の利益を取るというようなやり方は、決してしなかったからなんじゃないかなとも思うんですよね。求道者のような先生だとも思っているんですけど。」

加藤さん
「私は、つい最近悟ったんです。バッハは自分が能力があって、理屈抜きで名曲を作ったんです。私もそうあるべきだと思った。理屈抜きで私も将棋の才を頂いているわけだから、ひたすら将棋を指して、良い将棋を指すことに尽きる」

佐藤名人、加藤さんと対局するにあたり、
「加藤先生の中で闘志はもちろん持たれていて、それが拡散するよりも、静かに燃え上がるような・・メンデルスゾーン交響曲第3番の第一楽章のように、最初はとても静かな静謐な雰囲気で始まる、そのあとに激しい感情のうねりみたいなものにつながっていく、加藤先生が持たれているそんなオーラを感じながら、この対局の一瞬一瞬を大切にしたいと思う」と話す。

美しい引き際とかを考えないのではないか、戦い続けることこそ人生。自分からは戦うことを絶対やめないという凄さを感じる。

羽生さんの弁
「歳月の重みというのは、想像以上に長いという感覚はありますね。私、今、加藤先生の半分にも達していない、現役の年数でいうと。だから、最多敗は、活躍していないと絶対に作れない記録なので、人智を超えた世界というか・・」

佐藤名人との対局の詰み、負けたが、とても美しいと記者たちは言う。

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最後に、妻・紀代さんの弁
「桜の花って満開のときも、花吹雪のときも、散ったひとひらの花びらが土手の草花の上にちょこんと乗っているときも、満開の花びらと同じで枯れてないんですよね。きれいなままの花びら、ああ、パパ、一生懸命やって散った花びらみたいに、きれいな部分が残ってるんだったらいいのかなと思って。本人も意気消沈はしておりませんので、すごく明るく元気にまた違う使命を果たすべく、きっと頑張るのではないかな」 (完)   

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毎度のことながら、だらだら長くなりました。何も綴らない方が良いように思いまして、ここまでに。あっ、二つ。ひとつは、奥様の最後のコメントに感動。私も散って地面に落ちた花びらを見て、きれいだなと思う方でございます。二つめ、美しい詰み。勝敗関係なく、自分が目指す詰み。なんとなく、いいですね。美しい○○。

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日々感謝です。