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今日も、生涯の一日なり

自分軸で生きると決め早期退職した50代独女のつぶやき

Eテレ「100分de名著 三国志・陳寿 第1回〜動乱の時代を生き抜く知恵〜」を観て。へぇー、正史というものなんだ。

こんにちわ、SUMIKICHIです。
すっかりレギュラー視聴するようになったEテレ「100分de名著」。今月は、正史「三国志」。第1回は、「三国志」の基本構造を学びながら、動乱の時代を生き抜く知恵を「三国志」幕開けの時代から読み解く、というもの。

小説、漫画、アニメ、人形劇、ゲーム、そして映画と、1800年前の中国激動の歴史を描いた三国志は、世界中の人々を魅了してきた一大スペクタクル。この物語は「三国志演義」。しかし、実は、小説のもとになった歴史書がある。それが正史「三国志」、今月の名著。

お恥ずかしながら、私、中国の歴史は教科書レベルですし、映画「レッドクリフ」は観たことあるけれど程度で、‘正史’は存じ上げませんでしたので、ざっくり備忘録しときましょ。

 

まず、基本情報から。解説は、映画「レッドクリフ」を監修された早稲田大学文学学術院教授の渡邉義浩氏。

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よく混同してしまうが、小説の方は、歴史的事実7割、フィクション3割といわれている。

 

今、正史「三国志」を学ぶ意味は?
三国時代は、400年続いた漢が滅んでいく動乱の時期、価値観が分からなくなっていく時期、それが私達が生きている21世紀の時代に非常に近いので、三国志を学ぶことで動乱に生きた人々の生き方を勉強できる。そのときにフィクションだと、楽しんでいる部分があるので、具体的に本当にどういうことをしたかがわかるためには正史を見なければならない。そして、リーダーシップ論や組織運営論などを考えられる。

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次に、陳寿三国志を書いた背景。
陳寿は、西暦233年、魏・呉・蜀の三国時代に蜀で生まれ、官僚となって蜀に仕えるが、蜀が滅び晋が三国を統一すると、今度は晋の官僚となり書物の編纂を行なう。この仕事の一貫として三国志を編纂することに至った。

三国志は、漢の衰退後、群雄割拠した乱世から、魏・呉・蜀の三国が成立し、晋が三国を統一するまでを記した歴史書で中国の正史とされている。正史とは、“正しい歴史”ということではなく、“正統な歴史”のこと。あくまでも、晋という国家の正当性を示すための歴史書。晋は三国の中の魏から引き継がれた国家。そのため、魏について書かれている魏書に、皇帝の年代記がある。

要するに、魏がメインだが、魏に滅ぼされた蜀出身の陳寿は、祖国への想いを三国志の中にしのばせた。例えば、蜀の建国者・劉備が亡くなったときには“先主は永安宮において殂す”と記している。“”という文字は古代中国の伝説の王たちが亡くなった際に
使われた漢字。陳寿はあえて“殂す”と表現することで蜀こそが正統な国家であったのだと密かに主張した。三国志は、複雑な立場と歴史観を持った陳寿が書いたいわくつきの歴史書なのだ。

渡邉氏の補足・・・
魏だけを正統にするならば「魏書」という形で書けばよい、「三国志」である必要はない。ところが、陳寿は、蜀出身なので自国の歴史を魏の中に埋もれさせたくない、それで「蜀書」を、さらに「呉書」、と三部からなる「三国志」で正統というものを示しながら自国の立場を表現することにした。

 

続いて、内容に入る前に時代の流れの確認。(番組の表を使用させて頂きます)

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だいたい赤丸あたりの時代のことが書かれているらしい。

西暦180年頃、400年続いた漢の衰退し始める。民衆の間では貧富の差が拡大、政治腐敗も進行かる中、地方の有力者たちは自ら兵を持ち勢力を拡大し、群雄割拠の時代を迎える。民衆は力で制圧され、土地を追われる。統治能力を失った漢に茫然とした民衆は、張角という宗教指導者にすがる。信者が100万人にもなり、信仰の証しとして、頭に黄色の布を巻いていたため‘黄巾’と呼ばれた。西暦187年、張角黄巾の乱を起こすが、自らの病により意外にあっけなく終わる。

その後、後漢13代皇帝・少帝が即位するが、宮廷内では官僚の対立が激化し、暗殺が横行、一部の官僚が少帝を連れて逃亡を企てる。このとき少帝を保護した武将がいた。暴君として名高い董卓。少帝を首都・洛陽に連れ戻し、政経を掌握しようと画策。

董卓は中国北西部・涼洲出身、武芸に優れ強い兵を持っていたが、教養に乏しく政経の運営は得意ではない。そこで、権力安定のため、名士を招こうとするが、傍若無人董卓はほとんどの名士から拒絶される。董卓は、権力を強固にするため皇帝を殺害、さらに、反抗する者には残虐な刑罰を与えて数千人を処刑した。

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その後、地方の官僚たちが190年、反董卓連合軍結成。動乱の時代へ突き進む。


渡邉氏の補足・・・
そもそも、どうして漢が衰退したのか?
後漢時代、儒教というものを媒介として支配しようとした。儒教は、‘徳’とか‘仁’とかやさしい感じ。そのゆるやかな支配が社会秩序を混乱させる。そして、貧富の差が開き、漢の支配が崩れていく。それに異議申し立てしたのが黄巾の乱だった。

董卓の話に戻り・・
400年というのは長く、行き詰っているのは誰の目にも明らか。それをつぶして新しい社会を作らなければいけないが、董卓は壊すだけの人になってしまった。新しい社会を作るにはビジョンを見せてくれる人が必要。そのための名士がついてくれなかった。

ここで先程から出てくる“名士”の説明。

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儒教的価値観とは?
儒教というのはミラーボールのようなもので、いろんな角度から光をあてると、それに対する答えが出てくる。人によって考えることは違っていて、この人なら未来を委ねられる、この人のビジョンなら乗っかれる、というように思わせる地方で力を持った人たちが名士。地元の有力者や地主さんとかとは違う。そこに留まっていると、そこの利益利害を優先させてしまいがちなので、客観的にものが言えない、大局的な意見が言えない、地域同士が揉めたときに調停的な立場に立てない。なるべく地域社会の利害から離れたところに成立していくのが“名士”。結局は“ビジョン”。混迷している中で、どんな指針を出していくのか、その役割を担う。

 

ここで登場してくるのが・・・

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袁紹袁術。どんな人物だったのか?
董卓連合軍のリーダー・袁紹は自らが名士の代表といえるような人物だった。家は洛陽南東・豫洲の名門、漢帝国で4代にわたりトップ官僚を務める家柄。袁紹は武将としても知識人としても優れた人物で人望もあつい。そのため優秀な名士たちが集まり、4つの洲を支配する一大勢力となった。リーダーとして、董卓から首都・洛陽を奪還。しかし、敵がいなくなると、軍のなかで主導権争いが始まる。そんな中、腹違いの弟、袁術勢力を伸ばし始め二人は激しく対立。袁紹は側室の子であり、正室の子・袁術にいつも見下されていた。袁術は、人望があつい兄の袁紹に嫉妬していて、家柄が良いことで驕り高ぶる人物。袁術は各地で戦いを挑み勢力を広げようとするが、勇猛な武将を失い敗戦を重ねる。閉塞状況の果てに、自らを皇帝だと名乗る暴挙に出る。これに反発した名士たちが去り、落胆した袁術は間もなく病死。名士の信頼を失ったことで滅びたのだ。

一方、人望あつい袁紹勢力を強めるが、彼にも欠点があった。優柔不断だったのだ。あるとき沮授という名士が皇帝擁立を進言したが、ほかの名士の反対。

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迷いに迷った袁紹は、結局皇帝擁立はしなかった。その後、袁紹の配下にいた曹操が皇帝を擁立し勢力を強める。こんな優柔不断な性格が災いして袁紹はある大事な戦いに負けてしまう。それは次回に・・。

スタジオでは・・
群雄割拠の時代、優柔不断は禁物。決断力が重要な力になる。何をもって名士たちを使いこなすかということが君主たちには問われている。バランス力も大切だが、どういうバランスをとった人間が生き残っていくのか、いろんなケースがあると思うが、次は突き抜けた人物が出てくると渡邉氏は不敵に笑う。
次回は、三国志の中心人物のひとり・曹操を読み解くらしい。

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伊集院さんが番組冒頭で、「三国志」はとても人気で、大切にしている方々が多いのでちょっとプレッシャーを感じる、とおっしゃっていましたが、同感。ブログで勝手に備忘録していますが、めったな感想は綴れないかなと。ん?私は解説者ではないので感じたまま自由でいいんでした。
あまりに長いし、登場人物がこんがらがるしで本を読むことは避けてますが、ポイントを絞って、イラスト・アニメや朗読などを駆使して視覚的にも素敵に表現して下さるので面白いです。
そして、再度、映画「レッドクリフ」が観たくなりました。って、それは小説バージョンでなんですよね。“名士”についても正確には理解していなくて色々勉強になります。現代でいうところの企業コンサルタントとか外部から招くなんちゃらアドバイザーとか、そんなものでしょうか。ちょっと違うかな?利益利害のないコンサルタントなら意見や提案しやすいというのはあるのでしょうが、これも表裏一体な気もします。最終的には、君主の信念・指針・ビジョンが肝だと思います。機を逸する・・機を計るのはなかなか勇気のいることですよね。次回も楽しみです。

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日々感謝です。