NHK「ドキュメント72時間〜春 街角のかばん店で〜」を観て。たしかに、人生感じます。
こんにちわ、SUMIKICHIです。
たまに観る「ドキュメント72時間」。今回は、〜春 街角のかばん店で〜。ざっくり備忘録。
春、暖かい陽気に誘われてお出かけにくり出す人々、その時に欠かせないのがかばん。専門店には色とりどりのかばんが並んでいる。みんな何を詰め込んでどこに行くんだろう。今回の舞台は、東京上野のアメ横で50年商売を続けているかばん屋さん。
【3/18(土) 13:00】
◆タイから出張中の男性会社員
奥さんの指令であるバッグを買いに来たらしい。日本の女子に大人気のブランド、‘アネロ’のバッグ。アジア各国の女優さんが持っていて、今タイでも大ブーム。迷った末、日本限定版をチョイス。
・・奥さんは喜んでくれるかな。
◆紳士用バッグを探す熟年ご夫婦
旦那様は元公務員。若い頃からかばんは持たない主義、携帯とか財布はポケットら入れてきたが、最近体力が落ちてきて、ポケットに入れておくのが重たいらしい。今日は、ペットボトルとかおむすびが入ればいいなと思って探しているけど、種類が多過ぎて目移りする。初めてのかばん探し。
・・一年で最もかばんが売れる春、店内には4,000の商品が並ぶ。
◆父親と中学生の息子
進学を機に通学用リュックを購入。学校で使うものなんで入れやすいものがいいかな。買ってもらって嬉しいと息子は淡々と言うと、父親は「感情がない」と苦笑い。
◆高齢のご夫婦
退職された旦那様の散歩用のかばんを探している。ビジネス用とかじゃなくて、ちょっとフラっと出かけるときのリュック形式が欲しい。
◆母親と子供二人
「白でいいじゃん」「白は汚れるし」とお出かけバッグを前にして言い合いをする姉と弟。するとお母さんが「じゃあ、赤がいいよ」とススメると「なんか派手じゃん」と渋る姉。結局「青にする」と言う姉に対して、「でた!私(母)が言うと絶対違う方にする、この人。それで決断するという」とぼやく。
・・毎日を共に過ごす大切なパートナー。
【16:31】
◆男性営業マン、かばんを買い替えるついでに、古いものを処分してもらうお客様。仕事用でもう5年位使っていて、持ち帰ってもゴミになるから。同じブランドをずっと使っていて、これで4代目。
・・お別れじゃなくて、世代交代。こんな付き合い方もあるんだな。
◆熱心に店内を見てまわる熟年男性
かばん屋巡りが休日の愉しみ。一つひとつ見て行くと想像が膨らんでくる。ちょっと変わったかばんを手にすると、これを持ち歩く人はどんな人だろう、とか、かばん一つでその人の全てがわかるような。かばんが汚れているとちょっとアレだし、実用性重視の人もいるだろうし、そんな人は、逆に言うと、仕事に対しても割り切った仕事ができる人なのかなとか想像したり。
・・たしかに、かばんにはそれぞれの生き方が滲み出るのかもしれない。
【17:21】
◆大きなかばんを持つ建築業の男性52歳
今建築関係の仕事をしていてヘルメットや靴を入れていて、この肩掛けだと重たいんでリュックを買いに来た。建築の仕事は始めてまだ二ヶ月。勤めていた会社が倒産し、ハローワークにも通っているがなかなか職がみつからない。今のかばんは、現場に行くのになんでもいいや、みたいなノリで買ったんで、好きで持っているわけじゃない。今やっているのは本当の自分じゃないですから。
・・先が見えない不安定な暮らし、どんなかばんを選べばいいか、なかなか決められない。
20:00、店じまい。この日売れたかばんは200個。
【3/19(日)11:07】
◆開店早々店員さんと楽しそうに値段交渉中の群馬で暮らすフィリピン人女性
100円ショップで買った間に合わせのかばんがポロポロになり、日本での生活も落ち着いてきたので買い替えに来た。10,800円の値札を見て交渉中。商談成立後、中身を入れ替え。缶詰、調味料、トイレ磨き棒、キッチンスポンジなどアメ横で買った大量の日用品。フィリピンに住む家族へのプレゼント。ぴったりなかばんが買えて嬉しい。
◆一人静かにかばんを眺める主婦68歳
今日は亡くなった旦那様の墓参りの帰り。散歩にも使える小さなかばんを探している。今使っているのは10年位経つ。70代になると終活ですから。だから、長く使うことは使うけど、そろそろ死ぬ時は3品くらい、かばんも3品、何でも3品位にしたいなと。自分のものが片付けられなくて、自分が死んだら家族か誰かに捨てられるわけでしょ、今の若い人は受け継いで使ってくれるなんてことはありえませんからね。
・・人は一生でいくつのかばんと出会うんだろう。
◆就活中の男子大学4年生
少し前に就職説明会に行ったとき、気が抜けてて、いつも使っているリュックを持って行ったら、みんなは黒いバッグを持ってて、これはヤバイなと思って買いに来た。
・・真新しいかばんと共に一歩踏み出す。
【17:54】
◆旅行バッグ売り場で話し込むコンピューター会社にお勤めの男性44歳と女性33歳のカップル
職場結婚の予定で、新婚旅行にスウェーデンに行く。二人分の荷物が全部入る大きなかばんを検討中。彼女は、出産時、臍の緒が首に巻きつき脳性マヒになり、生まれつき足が不自由。だから、荷物と彼女の手を引いて歩くのは彼の役目。
【19:37】
◆閉店間際に解体業の男性45歳が来店
サバイバルゲームのマーマーベストなどの衣装や小物などを入れる大きなものを買いに来た。料理人を辞めて一年限定で趣味に生きている。3年前から始めたゲームにすっかりハマってしまった。
【3/20(月)10:40】
◆スーツ用のかばんを買いに来た公務員男性
青森にいる86歳の母親が脳溢血で倒れ、もしかすると喪服を持って帰ることになるかもしれないから。
・・苦い想いのかばんもある。
【17:32】
◆仲良くリュックを選ぶ、ともに介護職40歳のご夫婦
旦那様の通勤用バッグを買いに。数年前にアメ横で買ったものがボロボロ。随分重いけど・・缶コーヒー、CDウォークマン、DVD、中国語参考書など多くのものが次から次へと出て来る。何でも入れておかないと不安。全部が入っている、人生が入ってるんです。小説を書くための鉛筆も入ってる。賞に応募しても最終選考でいつも落ちる。最近は絵を描き始め、頭の中にはやりたいことが浮かんできてたまらない。この後は、居酒屋で夢を語り合う。私はいつも聞き役、と奥さんは笑う。
【3/21(火)11:40】
最後に出会ったのは77歳の女性。水着を4着買ってきた。健康のためにスイミングに通ってる、また明日から行きます。と買ったばかりのバッグを嬉しそうに持ってお店を後にする。
“かばん”。現在、私も散歩やちょっとした外出用に、何か良いかばんはないかなと考えていたところでしたので番組を観ましたが、番組内での「人生が詰まっている」「終活ですね、最後はカバン3個とか」「今の自分は本当の自分じゃない、とりあえずのものでいい」「どんなかばんを持っているかでどんな人かわかる」などのコメントにハッとしました。
私も、靴とかかばん、うーん、自分の持ち物は厳選したもの、いえ、ブランド品とか高級品という意味ではなく、本当に好きなデザイン、素材、色、全てにおいて合格点の品々にしたい、できたらいいなとずーっと思ってきましたが、どうもその場しのぎのとりあえず品で過ごしてきたなと思います。いつか、いつかと先延ばしにしていたら、結局自分に馴染んだものが残っていないんですよね。すぐ飽きて買い替えて、処分するときもあっさりと。退職前に断捨離しましたが、ホント情けないくらい淡々と処分できました。無駄の多い人生かなぁ。
かばんで言えば、仮に、まぁ好きかなと思って手元に残したものは、もったいなくて日常使いできず、汚れても良い雑誌の付録の袋を手にして出かけてしまいます。
ですから、それらを身に持ってもハッピーではなく、いつかお気に入りのものでスーパーで買い物しよう・・って、いつなの?と悶々。
しかし、見方を変えると、つまるところ私は何でもいいんだろうなーと思ったりもします。こんなオリジナルで素敵な自分になるには、これとあれとが必要かなって、心底思っていないイメージを膨らませようとしているからわからなくなるんだろうなーと。今、かばんが必要だと思っていても、お金がないというのもありますが、無くても生きて行けるしなぁと思う自分もいて、で、結局いっかとなるのかもしれませんね。このお金がない、ということが判断基準になっている今日この頃の私でございます。なんのこっちゃ。
日々感謝です。