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今日も、生涯の一日なり

自分軸で生きると決め早期退職した50代独女のつぶやき

TV番組「サワコの朝〜作家・湊かなえ〜」を観て。即興ミステリー、深い。

こんにちわ、SUMIKICHIです。

たまに観ている「サワコの朝」。今回のゲストは作家の湊かなえさん。2008年、35歳のときに小説「告白」で作家デビューし、人の心に潜む悪がうごめき、増幅していく描写が多くの人を驚かせ大ヒット。今や‘イヤミス’の女王として人気。10年間で出版した作品の累計が1,000万部を突破、20冊の小説のうち15作品が映像化されるベストセラー作家。なーんて、今さら私が説明することでもないですね。

「告白」を始め数冊読ませて頂いてますが、ご本人の事は ‘淡路島在住の主婦のまま作家活動’ ‘妄想好き’ 位しか存じ上げないので、番組の中で印象に残ったコトをざっくり備忘録しときましょ。

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デビュー10年を迎えた湊さん、年に2?3冊のハイペースで作品を出版。生活サイクルは、昼は主婦、執筆は夜10時頃から深夜の4時頃まで、40代になって無理ができなくて2時か3時には寝るようにしている、そして早朝に起きて、お子さんを送り出し、朝8時からまた少し寝て・・といった感じのよう。

 

執筆していて主婦をやめたくなることは?
それをすると小説が書けなくなるし、小説を書くことで家族に迷惑かけるんだったら明日にでもやめようと決めていた。だから1番は家族、その次が小説。

 

主婦になって小説を書き始めたのはなぜ?
2000年、27歳のときに淡路島の人と結婚。自分も広島県因島市の島で生まれ育ったので不便とは思っていない。翌年出産したが、全く手のかからない子供だったので時間が余り、退屈になった。何かやれることがあるんじゃないかと考えた。頭の中にあるのはいつも映像、それに台詞とト書きを書き表したらいいので、最初は脚本を書いた。それをコンクールに応募したら、佳作賞を頂いた。

東京で行われた授賞式に出席した際、他の受賞者は仕事についての質問をされていたのに、自分には「お土産、何買って帰るの?」みたいな世間話しかしてもらえず、「せっかく島から出てきたんだから私にも仕事の話をしてほしい」と言った。すると「脚本っていうのは完成図じゃなく設計図で、それをみんなで作っていくものだから、直しも出てくる、その時すぐ来てくれる人の方が新人の場合重宝されるので、地方に住んでいる人は脚本家になるのは難しい」と言われた。

なるほど、ネットのある時代に、まだ東京じゃないとできない仕事があるのかと思って、腹が立つというより、このままじゃ引き下がれないぞ、映像化できないものを書いてやるぞ、と決めた。脚本の教本などには、3行以上の台詞にならないように気をつけようとか書いてあったので、3行どころか、原稿用紙80枚分も喋り続けてやろうと思って書いたのが「告白」の第一章になる‘聖職者’の部分。書いたのは2006年秋、その2年後に出版、2010年に映画化。小説としては、ほぼ最初のもの。

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「告白」になる前のインスピレーションは?
まずミステリーを書こうと思って、チラシの裏にミステリーに関連する言葉、‘殺人’とか‘探偵’、‘シンジケート’などを書き出していき、紙面がいっぱいになった時点で、一旦ちょっと時間を置き、しばらくしてまた紙面を見たときに‘復讐’という言葉と目が合ったので、それをテーマにした。

で、誰が誰に復讐するのか?なぜ復讐するのか?などを考え、結局、先生が生徒に復讐する話にし、次に、大人が子供に復讐するって、何をされたら復讐するんだろう?自分に直接何かをされるんじゃなくて、自分の大切な、復讐相手よりさらに小さく弱きものが傷つけられたら復讐するんじゃないか。10代の男の子に対する復讐って何だろう?彼らは見えないところで痛めつけられるより、みんなの前でさらし者になることが一番傷つくんじゃないか・・そんな感じで考えた。

 

どうして思いついたの?
意地悪なんでしょうね。相手がなにで一番ダメージを受けるのかを考えるのってワクワクするじゃないですか、この人を追いつめるのって何を言ったらいいのかなとか。逆に喜ばせるには何を言えばいいかを考えるのが好き。幼い頃は作文を書いたりはしなかったが、想像するのは好きだった。行列に並ぶのも苦じゃなくて、周囲の人の会話を聞いて想像してみたりできるから。


ここで、番組の企画として、湊さんに即興ミステリーに挑戦してもらう。編集担当からテーマをもらって書くというやり方をする時もあるらしく、石を池にポチャンと投げて、水面に輪が広がっていくみたいな感じで想像していく。

今回は、「サワコの朝」というテーマでミステリー小説の冒頭部分200文字を即興で。原稿用紙に手書きで・・5分後完成。

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最近あったサイン会で、介護をテーマにした小説を書いて欲しいというリクエストを数人の方からもらい、そうか、みなさん介護で悩まれているんだなと頭に残っている。それを「サワコの朝」につなげた。

朝って、子供に手がかかったとしても、将来成長していく喜びといつか終わるという光が見えるけれど、介護はその先の光が見えない分、どこに向かっているのかもわからないんじゃないかと思って、そういう冒頭にしてみた。サワコは、夫とその母と同居していて、母の介護が必要だけど、母はまだ夜も明けない時間から起きて呼ぶ、夫は寝床で聞こえないふりして、結局降りていってお世話するのはサワコ、サワコの明けない朝が始まる・・。

こんな短い中で表現してるのね、凄いとサワコさん驚愕し、どうなっちゃうんですかとサワコさん。ここから湊さんワールド全開。

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夫を殺しちゃうかも。男性に読んで貰って、奥さんに任せっ放しはいけないと思ってもらえる。女性は、日々の介護で疲れてて怒る気力もないだろうから、こういう作品を通じて言いたかったことが言えて救いになる。本の中では殺しちゃってもいいんですよ、で、喪主の挨拶の時は悪く言えないので夫の良いところばかり言う、言ってるうちにああ結構いい人だったかもと思い直し、現実世界で仕事から帰ってきた夫に優しくお帰りなさいと言ってあげられたりするかも。本って、そういう役割をするんじゃないかなと思う、と一気に語る。

順風満帆に見える湊さんだが、小説家としての自信があるわけだはなく、毎年、今年がピークで来年からはダメだ、読んでくれる人はいるかなとか思うらしい。

 

他は、スタートしたばかりのドラマ「リバース」の宣伝。小説では終わったあとの場面がドラマで描かれているようで楽しみだと湊さんは微笑む。それを観て続編書きますか?の問いには「うーん、もうしんどい」と苦笑い。

この番組では、記憶に残る曲など2曲を紹介していますが今回は割愛。

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初めて「告白」を読んだときは、ぞぞっとしました、私。映画でも松たか子さんが大声で「ドッカーン」と叫んだシーンもぞぞっと。そのぞぞっとする感じに対して、なにかこう自己嫌悪と申しますか、ホント‘イヤミス’ですよね。湊さんは、正直で無防備な方かなと思います。意地悪のひとことですませられる性格?人格?性質?じゃないような気もします。人間が好きなんでしょうね。同じ系統(しゃないかな)なら、辻村深月さんの懐かしい残酷さの方が読んでいて楽ですね、私は。とにもかくにも、即興ミステリーはさすがです。本当に‘5分間で即興’を信じるならば。解説をお聞きする前は、ほら穴とか塊とかの言葉で、人を殺したのかなと勘違いしてしまいました。浅いです、私は。

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日々感謝です。