今日も、生涯の一日なり

自分軸で生きると決め早期退職した50代独女のつぶやき

Eテレ「100分de名著 宮沢賢治スペシャル・第2回〜永遠の中に刻まれた悲しみ〜」を観て。

こんにちわ、SUMIKICHIです。

すっかりレギュラー視聴するようになったEテレ「100分de名著」。今月は、「銀河鉄道の夜」「春と修羅」などの作品で今も多くの人に愛される宮沢賢治スペシャル。第2回は、「春と修羅」と童話「やまなし」などを読み解くことで、賢治が向き合った「生と死」の問題に迫っていく、という内容です。ざっくり備忘録しときましょ。写真の文字が読みにくくて申し訳ございません。ってどなたに言ってんでしょうね。

 

37歳の生涯の中で800篇という膨大な詩を書いた賢治。彼は、自分の詩を“心象スケッチ”と呼んだ。なぜそう呼んだのか?69篇の詩が収められた「春と修羅」の序文に述べられている。

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わたくしを意味する“現象”“照明”という言葉があるが、“照明”というのは何かのエネルギーによって明滅している存在であり、わたくしも本体、本質によって動かされているだけの現象にすぎない、というふうに解釈している。賢治は人の命を“青い光”であらわすパターンが多い。

伊集院さんは、「すべてがみんなの〜」という個所ですごく共感することがあると言い、ラジオの放送中伊集院さんは、リスナーの姿を見ることは絶対できない、笑ってくれてるだろうと想像するのは自分の中のみんなだ、日頃お手紙や街で会った人たちの姿から推測する自分の中のみんな、だからここがバシっときたと話す。

山下先生は、ものすごく主観的であるとか、この世界ではこれが売れるとかものすごく客観的であるとか、などが大事だったりするが、賢治は、実は自分の心の奥の奥の奥の中を掘ったほうが“みんな゜に出会えると思ったんでしょうねと解説。

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他に「春と修羅」の特徴として、詩に具体的日付が記されている。賢治は、時間にこだわりを持っていて、その日、その瞬間を永遠化したかったのではないかとのこと。特に、ある一日を繰り返し詩に刻んでいる。1922年11月27日。それは、二歳年下の妹・トシが亡くなった日。

トシは、兄・賢治と同じく真実を追求する性格で、東京の女子大に進学後、花巻で教師をした。花巻は厳しい自然に囲まれ、貧しい農家が多い土地柄。その中で質屋を営み、財を成した宮沢家に、賢治は深い罪悪感を抱き、父とたびたび衝突する。そんな賢治の心の一番の理解者がトシだった。勉学から信仰の話まで何でも話し合えた二人。しかし、強い絆で結ばれたトシが病で倒れ、賢治は懸命に看病するが、その甲斐もなくトシは24歳の若さでこの世を去った。

賢治は、トシの死を幾度も詩に書いた。そのひとつが「永訣の朝」。

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賢治にとっては魂がひきちぎられる思い。繰り返されるのはトシの声。「あめゆきをとってきてください」(みぞれ混じりの雪)という意味ではないかとされているが、いろんな解釈がある。山下先生は、地元の方々とお話したら、“あまゆき(甘い雪?)”ではないかと、花巻の子どもは、雪に砂糖をかけて、あまゆきーといって食べたんですよと説明してくれたとのこと。トシと賢治の幼少のころ、一緒に食べた思い出かもと。

また、ローマ字が突然出てきて「私は私で一人で死んでいきます」とトシの言葉として受け取れるが、あえてローマ字にすることで音楽的なイメージになっている。

他にも、悲しみを詠ったものがたくさんある。

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トシ臨終三部作のひとつ。死ぬってことはなんなのか、死んだらどこへ行ってしまうのかを真剣に追求している。当時日本の最北端の樺太に行けばトシの魂に会えるかもと、亡くなってから8ヶ月後、列車で旅に出る。そこで様々なことを考えて作品を書いた。

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そもそも、信仰の上ではみんなや宇宙全体の幸せを考えなければならないのに、自分はトシのことばかり考えてしまう、この葛藤を抱えながら追求した作品である。

 

また、童話でも“死”は大きなテーマとなっている。そのひとつが「やまなし」。蟹の兄弟の頭上では、魚が獲物を探して泳いでいる。二匹は魚が悪いことをしていると話し合っている。

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クラムボン”って何?あなたの想像力に任せられてますよという感じでいろんな解釈ができるが、音の響きから、尖っているものではなくて、何か丸いイメージがしますね、と伊集院さんは言う。さらに、ファンタジーなのかと思っていたら、殺されたよとか死んだよとか急に物騒な言葉が出てきて、かわせみが魚を咥えて命が奪われていき・・後半になると丸くていい匂いがするものが落ちてきて・・これが「恵み」。生の恵みを象徴する「やまなし」が落ちてくる。死と悲しみを包む大きな“命”。ちよっと、輪廻転生みたいな感じ、トシの死は悲しいことだけではないんだ、無駄でもない、そんな優しさも感じると感想を話す。

最後に山下先生は、幼いころと大人になって、悲しみを体験して読むのとでは違う味わいがあります、と締めくくった。

 

毎度お恥ずかしながら、この「やまなし」は読んでない、いえ、習ったかもしれませんが、すっかり忘れております。とほほ。トシさんのこともそうだったのね、ってくらいで。重ねてとほほ。

そうそう、ホントにびっくりなのですが、図書館本を本日読んでいましたら、宮沢賢治さんについての記述がございまして。なんてグッドなタイミング!

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筒井康隆さんの著書なんですけど、“色気”(男女関係だけではなく人として)のある作家として賢治さんの名前をあげてらっしゃいました。「注文の多い料理店」の中で青年紳士が死の恐怖に怯えて泣き叫ぶくだりなど、異常な色気を感じると。へぇーっ、そうなんだぁ・・。さらに、「やまなし」の“クラムボン”についても、意味不明だが、今では詮索すること自体無粋だと。へぇーっ、そうなんだぁ・・。いろんな作家さんに影響を与えてらっしゃるのね、私は今のタイミングで番組を観ることができて、ある意味ラッキーでございます。私も、ノートとペンは持ち歩いております。が、単なる生活備忘メモ。いつになったら創作備忘メモになるのでしょうか。私には、創作の神様は降りてきてはくれませぬ。とほほ。

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日々感謝です。