今日も、生涯の一日なり

自分軸で生きると決め早期退職した50代独女のつぶやき

Eテレ「オイコノミア〜オトナのたしなみ マナーとルールの経済学〜」を観て。足跡ねぇ・・。

こんにちわ、SUMIKICHIです。

最近レギュラー視聴しているEテレ「オイコノミア」。今回は、ゲスト・壇蜜さんもびっくり、人間関係を円滑にするマナーとルールの経済学。ざっくり備忘録しときましょ。

 

そもそもマナーとは?
マナースクールの先生がおっしゃるには、“お互い幸せを作っていくもの。相手の立場に立って、お互いに思いやりの気持ちを伝える”ことだと。

では、経済学ではどう考える?

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さらに‘集団’と‘長期的関係’をポイントに見ていくと・・マナーを守る3つの理由がある

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①短期的には得でなくとも長期的には利益になる
ルールブックには書いてないが、みんなが守るマナーというものがある。例えば、サッカーの試合では、選手が倒れてもそのまま試合は続くので、選手たちの判断で、選手が早く治療できるように敵味方に関わらずボールをわざとコート外に出して試合をとめる。お互いに自分が怪我したときにもそうしてほしいという気持ちがあるから。

②ある種のシグナルを送り、その結果、他の取引で利益を得られる

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メールが届いたら遅くともその日のうちに返信するとかテーブルマナーがいいとか、明文化されていないけどみんながマナーとして守っていることをきちんとしていると“いい人”と思われ、そんなシグナルで相手を安心させ、話をスムーズに進めることが出来る。

③本人にとっての主観的な利益がある
例えば、‘席を譲る’とかは、自分は短期的に立っていないといけないが、譲って喜んでもらえること自体、自分にとっても喜びとなる、という要素もある。

ここまでで、経済学的にもマナーは守った方が良いといえるが、自分が正しいマナーだと思っているのに、それに従わない、守らない人がいる時にトラブルになったりする。

 

そもそも、マナーとルールの違いは?まずは、明文化されているかどうか。ルールは明確に定められている。

経済的に考えると、マナーに頼るより、ルールを決めた方が良いのか?
実は、なかなか難しい問題で、明確なルールや罰則を決めても必ずしも上手くいくとは限らない。

イスラエルのある保育所での実験によると・・・

保育所が閉まるのは午後4時。親はそれまでに子どもを迎えにくる、時間を守るというのがマナー。しかし、遅刻する親が後を絶たないため、10分以上遅刻したら、500円相当の罰金をとるというルールを決めた。すると、遅刻が減るどころか、以前の約2倍の数に増えたのだ。“500円払ったら遅刻していいんでしょ”ということなのか。

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罰金が設けられたことで‘社会的規範’から“市場的規範”に切り替わった。又吉さん曰く、無料で重い荷物を持ってくれる人がいたら、物凄く申し訳ないなと思うのに、お金払っていたら、もっとちゃんと持てよ、みたいなことですかね、って。

面白いのが、罰金制を導入しても倍に増えたぞ、ならばと制度をやめてみたら、二度ともとにはもどらなかったらしい。どうやら、ルールを決めたらいいってものでもないようだ。

こういう問題点を考える際に、出発点となっているノーベル経済学賞をとった経済学者の理論がある。

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得られるものが、失うもの×確率より大きいとき、犯罪を犯すインセンティブ(行動を起こす動機)が働く。とすれば、罰金を高くすれば世の中上手くいくのか?

 

そこで、“放置自転車”の例を考えてみよう。放置自転車を減らすには?

  «自転車を放置する便利さ・快適さ» ≧
         «自転車を取り戻す費用» ×  «撤去される確率» 
   “≧”を“≦”にすればよい?

罰金を幾らにすれば減らせる?

10万円とかにすると、新品買えばいいやとなるので高ければ良いというわけにもいかない。集積場を取りに行きにくい場所にしていたりする。その方が機能する。人間が考える費用は、財布から出て行くお金だけではなく、取りに行くときの体の疲労やかかった時間なども換算する。

ついでに、撤去する確率も高くするという対策もあるが、監視員やトラックを増やすコストがかかるため現実的には難しい。

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実は、放置自転車の数は、1981年には全国で一日98.8万台、2015年では8.1万台と10分の1に減っている。駐輪場の整備が進んだからだ。1977年では59.8万台、2015年には429.8万台と7倍以上増えている。

料金設定には経済学の考え方が生かされている。短時間の利用者には無料、長時間利用者には無理のない範囲で有料、様々なニーズに合わせたしくみ。なぜ、このような価格設定にするとOKなのか?

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価格差別をせずに24時間まで一回停めたら一律100円に設定すると?
人によってはもその辺に停めた方がタダだし、と思うかも。高過ぎると、見つからない方に賭けて停めないという人もいるかも。払えるくらいの料金設定が良かったのだろう。

守れない、守りにくいルールにするくらいなら、この位だったら守っとこうと思えるような仕組みを作ることが、結果的にみんなにとっていい環境を作る、というのがこの例からもわかる。マナーとルールに関係する内容が下記にも示されている。

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例えば、会社がどのような仕組みを作れば社員が頑張って働くだろうか?

ひとつは、結果を出した人にはご褒美を与えて、上手くいかなかったら罰を与える、つまり“ルールを守らせる仕組みと同じ”。

もうひとつは、会社と社員が長期的な関係を通じて互いに協調的な行動をとる、もしどちらかが裏切れば関係が壊れてしまい、仕事が進まなくなる、こちらは、“マナーを守らなかった場合と同じ仕組み”。マナーとルールの経済学は、職場に応用することも出来る。

 

今、社会を円滑にまわすため・・

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が注目されている。

例えば、信号機につけられている残り時間を知らせるものもそのひとつ。青信号の残り時間が少ないとわかれば、急いで渡りきろうとしたり、無理せず次の青信号を待とうとする人もいる。

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それぞれ自分のコンディションに応じて好ましい選択ができる。

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2011年のデーンマークでの実験。

街角でキャンディーを手渡したところ、人々の多くは包み紙を地面に捨てていた。しかし、近くのゴミ箱に向かう足跡を描いた結果、ゴミ箱に捨てる人が46%増加した。コペンハーゲン市内1500ヶ所のゴミ箱に足跡をつけることを決定。

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この考え方を使って、人々が問題だと思っているけどなかなか守れない行動をどうにか誘導できないかと考えてみよう。“ナッジ”チャレンジ!

エスカレーターの片側をあけて、横を歩くというのは危険な上に故障の原因になるらしい。だから、エスカレーターの足元に足跡をつけておくとか。

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又吉さんは、マナーとかルールに縛られないのがカッコイイとかいう価値観もあるけど、それは守ってくれている人のおかげで、みんなが守らないとメチャクチャな世界になりますね、と話す。

 

お金を払えば締切時間を過ぎても大丈夫だよね、ってことありますね、たしかに。マナーは、幼少期に育った環境によって人それぞれ若干違ったりしますけど、社会に出たらその違いを修正しながら行動しなければ円滑に暮らせないですね。そのとき必要なのが想像力なんですかね。相手の立場に立つとか自分を客観視するとかバランス感覚とか。しかし、なかなか上手くいかないこと多しです。それと、街中に足跡とかあると自然に誘導されて行動するような気がします。面白いですね、人間って。

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日々感謝です。