今日も、生涯の一日なり

自分軸で生きると決め早期退職した50代独女のつぶやき

倉本聰・舞台「走る」を観て。私は走ることをやめたんだよな・・・。

こんにちわ、SUMIKICHIです。

昨日は、倉本聰さん作の舞台「走る」を観に出かけました。観劇の前に心落ち着けるため(なんで?)遠くにある会場までの途中にあるお寺に立ち寄りました。

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この時期の平日だからでしょうね、一人でございました。時期的な寒さとは違う、静粛なひんやり感がございました。30分程度の滞在でしたが、少し心清らかになりました、かな。

 

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そして、舞台「走る」へ。

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一糸乱れぬ走る足音。時間をかけてアスリート並みに鍛え上げた肉体の集団がただ走る。走りながらリズムに合わせた台詞が吐かれる。この役者さんたちは、きっと、演出のためなら裸でも舞台に立つんだろうなと思わせるほどの熱を感じました。

事前にNHK番組で倉本さんの特集を観ていましたので、それぞれの役者さんの背景や舞台になるまでの過程が重なってみえて時間というものの大きさもひしひしと感じておりました。そして、ひとりひとりそんなに長くはないけれど、個性が出るように持ち場を与えられ、今出来ることを果たしていらっしゃいました。 

sumikichi52.hatenablog.com 


大切なのはどっち? 石油?それとも水? 車?それとも足? (うろ覚え)

 

私は誰も信じていない
これまでひとりで生きてきた
今誰かと話したい
自分の敵は自分の中にいた!(これもうろ覚え)

 

肉体の動き、若い役者たちの短い台詞、音楽、照明、それらすべて必要最低限のそぎ落とした演出がシンプルな感動を引き出していたような気がします。やっぱり圧巻は、個人的には最後のシーンだと思います。最後の一人がゴールした瞬間、全員舞台の中央に集まってストップ、と同時に照明がおちる、じーっと見る時間を与えない。うーん・・水面に油を一滴落としたときに、さぁーっと円を描いて広がる瞬間みたいな・・広がりきらないうち、いえ、マックスになるコンマ数秒前に照明おちるってタイミングかな。なぜこのシーンだけに熱がこもってるんでしょうね、ヘンなの。以前観た舞台もそんな感じだったと記憶してます。

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それと・・
一緒に走っていたカップルで、男性が遅れ気味になり女性に「先に行ってくれ、君は自分のペースを押し殺してまで僕に合わせる必要はない」と気にせず先に行けと言うと、嫌だと抵抗し一緒に走り続ける。すると、「君は男心がまるっきりわかってない、男は同情されるのが一番傷つくんだ」と叫ぶ。これについては、男女関係だけではなく、人間関係すべてにおいて言えることなのではないでしょうか。私も同情はつらいです。ですから、相手に対しても同情はしないようにしていますが、この同情の基準も人さまざま。具体的には、上から目線の「かわいそう」発言は控えています。ちよっと心に残りましたね。

人は何の為に走るのか。
何に向かって走るのか。

結局、誰かに教えてもらう答えはなく、自分で見つけなきゃなと思いました。ん?待て、待て。私は走ることを、競争世界で走ることをやめたのでございました。とまってしまうともう走れません。誰かと、集団で、走る気はありません。ひとり、歩くことを決めたのでした。答えはみつからなくていいです。

そうそう、黒スーツ姿のサラリーマン役として大勢のエキストラが出演されておりました。公演場所で募集したんでしょうね、そういえば、ロビーにそんな方達のかたまりがありましたね。面白い試みですね。

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倉本さんのお言葉“この芝居が皆様の心に、夢と涙と明日へのエネルギーを喚起してくれれば、うれしい”とパンフレットにございました。私は歩きますが、しかと充電させて頂きました!

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日々感謝です。