今日も、生涯の一日なり

自分軸で生きると決め早期退職した50代独女のつぶやき

Eテレ「ミュージック・ポートレイト 松本隆×斉藤由貴 第2夜」を観て。感動させようとは思わず・・。

こんにちわ、SUMIKICHIです。

対談者によってごくごくたまに録画視聴しているEテレ「ミュージック・ポートレイト」。今回は、作詞家・松本隆さんと女優・斉藤由貴さん編第二夜。

現在放送中のNHKドラマ「お母さん、娘をやめていいですか?」の番宣をみると、母親役の斉藤さんが涙を浮かべながら「私を殺して」と迫ってらっしゃり、またまたひやっとしております。

前回は、私の青春時代ドンピシャの曲の作詞をされた松本さんにスポットをあてましたが、今回は斉藤さんの曲も備忘録しときましょ。

 

斉藤由貴さん。
多忙なアイドル時代、自分が削られている感覚、自分が思ってもいないことを言ってしまうかもしれないという不安を抱えるようになる。内気だった斉藤さんをマドンナの曲が解放してくれた。5曲目「MATERIAL GIRL」MADONNA

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「はっきりした表現のものを聴くと気持ちが良かった」
本音で生きる解放的な女性が歌う歌詞とマドンナのカッコ良さ。この歌を支えに自分を削っていく日々と闘っていく。

そして、苦しみながらも懸命に前に進んできた斉藤さんは、デビューから10年、28歳のときに大きな決断をする。出会って10日でひとつ年上の男性と結婚。仕事から離れ、半年間夫とともにアメリカで生活。
「なんか自由だなー、なにもないって楽だなー、仕事してない自分は考えられないって思ってたけど、そうじゃないんだ、ここでなきゃいけないって思う必要ないんだ」と感じる幸せな日々を過ごす。そんなとき夫がプレゼントしてくれた曲が心に響いた。6曲目「NOW AND FOREVER」RICHARD MARX。

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月並みなラブソング。「それまでわりと斜にかまえて、物事を小難しくしてしまうところがあったけど、普通に感動して、好きになって、そういう曲を大切にして、励まされて、みんなそういう風にしていくんだなーとこの曲を聴くといつも思う」

30代を迎え、演技派女優として勝負していく時代へ。表現の幅を広げたいと、ことばの表現、詩集やエッセイを執筆。すると、その表現力が認められ大きなチャンスが。大地真央さんが出演するミュージカル「ローマの休日」の作詞を担当。詞すべてをひとりの女優が任された。7曲目ミュージカル「ローマの休日」から「虹」山口祐一郎

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想いを込めて詞を紡いだ。「目の前で平面だったものが立体的に立ち上がってくる感じが、シンプルに感動した、歌って貰えてるーって」と微笑む。

言葉の表現に挑戦したことで、女優としての表現力を深めていく。たゆまぬ努力と挑戦が実り、デビュー30年を超えて再び注目が集まる女優に成長。去年流れた携帯CMで変わらぬ美貌で話題になり、大河ドラマ真田丸」にも出演。ハッタリと名調子で豊臣家をだます阿茶局役。8曲目は「真田丸 メインテーマ」服部隆之女優・斉藤由貴さんの今の到達点。

女優として歳を取ることについて斉藤さんは「女優だから外見も大事だけど、歳をとりながらおもしろいことをやれるって良いことだなー、幸せだなー、シンプルに打ち込める仕事を持ってるって、忘れがちだけど、どれほど素敵なことなんだろうってこの頃とくに思うし、かみしめてる」と話す。

 

去年、ラジオ番組で全盲の女子小学生シンガーと出会う。少女のまっすぐな歌声が初心に立ち返らせる感動をくれた。9曲目「IMAGINE」わたなべちひろ。

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「圧倒的な力になぐられたような感動。嘘や虚構を生業としている女優だけど、この子は何一つ嘘がなくて、感動させようとすら思ってない感じがした。こんなにも自分の気持ちが震えたのは久しぶり。表現ってこういうことなんだなーって」

 

人生最後に聴きたい曲は?

10曲目「ベルガマスク組曲」から「月の光」ドビュッシー
「クラシックの美しい曲。子供の頃から好きだった。そのことを誰にも言ったことが無いのに、ある日、娘が「クラシックの中でこれが一番好き」って弾いていて、血じゃないけど、ハッと思って・・だから最後はこれかな、静かに死ねそう、ふふっ」

 

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松本隆さん。
30代、ヒットメーカーとして不動の地位を築く。仕事は日々舞い込み多忙はキープ。毎日締切に終われ、一晩で6曲を仕上げることも。栄光の陰で松本さんは疲弊していく。そして、1位をとって当たり前という周囲からのプレッシャーが松本さんを襲う。いつか売れなくなるのでは、やめたい、やめたい・・。トップの座から滑り落ちる日がくる、その不安は次第に現実のものとなっていく。

時代は昭和から平成へ。歌謡曲番組が次々と終了し時代の変遷期を迎える。バンドやシンガーソングライターなど自ら曲を作るアーティストが台頭。職業作詞家の活躍の場が減少。そして、1990年頃からまさかの不遇時代へ。そのとき選んだ道が、いちど思いきって表舞台から身を引き自分を見つめ直すこと。

「自分に足りないものはなにか、7年間、流行とは距離を置き、能やバレエを観たり」と、古典を学ぶ研鑽の日々を過ごした。苦しかったこの時期、ある曲と出会う。6曲目 歌曲集「冬の旅」から「つじ音楽師」シューベルト

絶望の淵にいた若者が道端で出会ったのは、手まわしオルガンを弾く老人の音楽家。誰からも注目を浴びなくても淡々と演奏を続ける姿に救われる物語。この年老いた音楽家の姿に松本さんも救われる。不遇の日々でも出来ることを続けるんだ!と松本さんは共感し、この曲に日本語詞をつけた。

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自分ができることをただひたすら・・多くのジャンルの音楽を吸収し、いつか訪れる春を待った。

 

そして、7年後ものブランクのあと大きなオファーが舞い込む。当時すでにアイドルだったKinKi KidsのCDデビューの歌詞依頼。その曲に課せられたハードルは高かった。ジャニ―さんからミリオンヒットをと。「まだ売れるのかな、松本隆の賞味期限って切れてんじゃないのかなって不安はあった」と話す。

二人が放つ輝き、そして危うさをどう表現するのか、答えはなかなか出なかった。なかなかOKが出ず、何度も書き直していたとき、たまたま居間のTVで二人を観た瞬間、「あっ、硝子の少年だ!と思った。そのままタイトルになった、そしたらバアーっと詞が出てきた」と松本さんは言う。7曲目「硝子の少年」KinKi Kids

 

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苦労して作った曲は、二人そのものの世界観を作り上げるものとなる。青春の情景をせつない比喩と映像的な描写で描く、松本青春詩人としての真骨頂がそこにあった。結局、200万枚位売れ「ルビーの指環」を超えた。去年の紅白でも歌われ、松本さんが勝負をかけた曲が今も時代を超え愛される名曲に。

作詞家として走り続けてきた松本さん。しかし、2013年に盟友。大瀧泳一さんが亡くなり大きなショックをうける。これをきっかけに松本さんは「残された時間で自分は何をすべきなのか?」を考え、作詞家活動45周年はっぴいえんどライブを決行。自らの原点に立ち返った大切な時間。ドラムをたたくのは40年ぶり。あらたに作詞もした。8曲目「夏なんです」はっぴいえんど

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「やりたいことは、すぐやっておかないと。人生有限だから」

 

今挑んでいるのは、伝統芸能との融合。和楽器の若手演奏者とともに音楽劇を手掛けている。9曲目「幸魂奇魂(さきみたまくしみたま)」から「天の岩屋戸(あめのいわやと)」藤舎貴生。

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「常に新しいもの、カッコイイものを作って来たけど、自分に一番足らないものは古典かなと。和楽器はとてもいい楽器で、古典の中に閉じ込めておくのはもったいなくて、昔日本語ロックをてがけてひとつのジャンルになったみたいに、別の新しいジャンルが古典の中にできればいいなと」

「僕らは本当の感動をいつも引っ張りださないといけない。リアルでいたい。自分が楽しんで、楽しんで、楽しんで作れるものをいつも探してる」と松本さんは語る。

人生最後に聴きたい曲は?

10曲目「鳥の歌」クミコ。スペインの曲、松本さんが詞をつけた。

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「彼女がチェルノブイリでロシア人を前に歌ったとき、言葉も通じないのにその人たちが泣いちゃって。そういうカタチで、和と洋を結びつけていくのが、これから死ぬまでの僕の仕事かなぁーって」

 

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毎回、私の知らない世界、ジャンルを知ることができて嬉しく思います。そういえば、マドンナの曲に驚いたことや月並みだけど洋楽のラブソングの良さを思い出します。「つじ音楽師」なんて、そんな曲もあったんですねと勉強になり、また寄り添ってしまったり。久しぶりにクミコさんの姿、歌声を聴いて、目指すべきはここなのかなぁ(プロになるって話ではないです)とつらつら思ったり。感動を与えようとは思っていなくて、ただ歌うことで今を生きるといった感じの小学生シンガー。KinKi Kidsの「硝子の少年」は、ほぼ歌詞を見なくても歌えるかも。アイドル曲にもこんな物語性のあるものがと印象に残ってますし、彼らにハマってると思います。嵐の曲ではないなと。

自分の中にどれだけ引き出しがあるか、物事を時間をかけて自分の頭で考えてきたか、失敗を繰り返し挑戦してきたか・・長い年月をどう過ごしてきたかが人生後半に具体的に現れてくるんでしょうね。ん?音楽とは関係ない?やれやれ。
日々感謝です。