今日も、生涯の一日なり

自分軸で生きると決め早期退職した50代独女のつぶやき

NHKスペシャル「足元の小宇宙~絵本作家と見つける生命のドラマ~」を観て。これも素敵!

こんにちわ、SUMIKICHIです。

先日放送のNHKスペシャル「足元の小宇宙~生命を見つめる植物写真家~」に引き続き、今度は85歳の絵本作家・甲斐信枝さんの特集です。
この番組は、2013年に放送し大きな反響を呼んだ、足元の生命(いのち)を見つめる特集の第2弾で、甲斐さんのまなざしを通して、私たちの周りのなにげない植物が見せる驚きの営みを教えてくれます。只今、まだ草むしり作業中ですので、とても身近に感じられ、これまた素敵な世界でございました。

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番組内容をご紹介しようにも映像でご覧頂くのがベストですので、絵本作家さんの簡単なご紹介(また出しゃばってすみません)と個人的に印象に残った言葉の数々を勝手に綴らせて頂く事にしましょ。広報コメントを参考にさせて頂きますね。ネット検索で映像が観れますよね。甲斐さんの作風は、とても正確で、繊細で、美しくて、優しくて、躍動感と愛情に溢れており、見入ってしまいます。

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甲斐信枝さんは現役の絵本作家。代表作「雑草のくらし―あき地の五年間」は30年を超えるロングセラーだ。広島で生まれて、その後家族で京都へ。植物との出会いは子供の頃からで、学校より野山で草笛を吹いたり、種を飛ばしたりして遊ぶのが大好き。大人になって、雑草の美しさにひかれ、仕事をしながら草花のスケッチをを描き続けた。描きためたものをもとに、40歳で絵本作家としてデビュー。順風満帆に見えた矢先、隣の家火事の火が燃え移り自宅が全焼。描きためたスケッチ70冊も一緒に燃えた。さぞかしお先真っ暗な心境だったことでしょう。しかし、この時支えてくれたのが、植物だった。

「私、人生変わったの。草を観察しているうちに、草が教えてくれたのは、安住せよ。自分たちは、生きてきた長い長い歴史の中から安心を知っているんだって。細かなことでガタガタ思うな、安住せよ。ちゃんと時間が解決する。それはもう大変な財産でしたよ。」

一瞬、この言葉を聞いても、ん?と思うのですが、その後のくだりを見ると納得できました。

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草の生き方を教えられた甲斐さんは、このあと周囲が驚いた絵本を描くことになる。5万部超で今なお増版が続くロングセラー「雑草のくらし」。絵本作りというより大きな実験だった。70平方メートル四方の空き地を5年間毎日観察し続けた。どんな植物が生え、どんな営みをするのか。結果は想像をはるかに超えていた。いろんな種類が咲くと思っていたら、

1年目、外から種が飛んできてメヒシバが王者となり、

2年目、オオアレチノギクにのっとられ、

3年目、クズとヤブカラシが上から覆い尽くして天下をとった。

雑草の世界は栄枯盛衰。戦国時代さながらのし烈な戦いが繰り広げられていた。
甲斐さんの絵本は、「科学絵本」と呼ばれている。創造の物語ではなく、前述のように観察や科学に基づいて作るお話しだから。

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そんな甲斐さんは、毎日、麦わら帽子を被って、スケッチ道具を入れた大きな袋を肩にかけて、なわばり(定点の田畑)にお出かけ。気に入った草たちを見つけて毎日スケッチ、5時間でも6時間でもずっと。取材中、思わず口にされる言葉の数々が可愛くて、面白くて、素直で・・映像がなくて文章のみだと意味不明かと存じますが、少し綴らせて頂きましょ。

★(ホトケノザを見て)こりゃきれいだ、コイツ。アイツ、菜の花じゃない、大根か何かだ。

★(たんぽぽを見て)今日はお天気いいから、みんなよく働いてる。このヒト、今大売出しだから、お日様が、光合成するために。コイツらもいっぱいやってる、やらいでかって感じするでしょ。

★今日のお目当てはノゲシ。たんぽぽに似てるけど、地味で哀愁を感じるから昔から好き。たんぽぽは子供に例えれば、元気いっぱい、コイツはちょっとひねてて、こっちいらっしゃいって言っても、嫌っ、って感じしない?

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★これ騒いでる。私はわく働いてるって言ってる。草たちはわりと言葉を使っているんですね、こっちがしようと思わなくても、むこうから話しかけてくる、そりゃ、かけがえのない楽しさ。

★ほら、綿毛が舞い舞いしてる。風っておもしろくてね。種の飛び方で、複雑な風の動きを知った。じーっと見続けて描いてないと、そうは問屋が卸さないって感じで教えてくれないの。けど、ずっと見てるとある日お宝をくれる。ほんとうに嬉しいんだから。

★(草たちが種を飛ばしていたら)コイツ、芸やってるじゃん。いたいた、やる気あるかもよ、このへんのヒト。人間でいえば、お産だものね。同志になったような気がする。あんたも頑張ってねーと思わない?

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★夏。やってるやってる、わやわやわやわや草が騒いでる感じがする。私にはぼうぼうじゃなくて、元気よくやってるようにしか見えない。

★(キャベツ畑。早朝、葉の先に並んだ水滴が朝日を浴びて七色に光る幻想的な情景を見て)みんなに見せたい!ひとり占めはもったいない。

★(幼い頃から好きだったヒガンバナを描いて)申し訳ないって拝んでおくの。こんなに立派なお手本があるのに、わけのわからない絵を描いちゃって。この次はウマク描いてやろうというのはダメなの。相手に近づこうとしないと。こういう連中は、どこまでいっても、おいでおいでするから。永久に追いかける感じです。

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★(地面に寝転がって)足元の雑草を見るときは、相手と目線を揃える。そうするとすごく美しく見えます。

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 京都・嵯峨野の里山で一年にわたって、甲斐さんと一緒に四季折々の植物たちのドラマを発見していく物語。何だか・・とても、とーっても、癒されました。それだけでなく、地面に寝っ転がって植物たちと会話するというその行為がすごく尊く感じられました。この先の人生のヒントにさせて頂きます。

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思いますに、私の精神年齢はおそらく60代なんじゃなかろうかと最近思い始めました。それと、甲斐さんの影響(足元にも及びませんが)か、今朝草むしり中に見つけて、ひとり遊びをしてしまいました。夢中になります。あーっ、少しちゃんとしたカメラが欲しい!っていいますか、技術を磨こうぜ!

早速、絵本「雑草のくらし」を図書館予約してしまいました。

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日々感謝です。