今日も、生涯の一日なり

自分軸で生きると決め早期退職した50代独女のつぶやき

Eテレ「団塊スタイル 誰にでも訪れる“死”どう考える?」を観て。どう考えましょ。

こんにちわ、SUMIKICHIです。

二日続けて、Eテレ「団塊スタイル」ネタでございます。今回のテーマは〜誰にでも訪れる“死”どう考える?〜。このところ関心のあるテーマが多く、思考の交通整理が大変です。

個人的に、闘病体験してからは、“死”を見つめることは“生きる”ことにつながると思っていますので、今現在怖くて不安で仕方がなくて、という気持ちで観たわけではないんです。ただ、自分ひとりの価値観だけでやり過ごすより、他の人たちの想いにも耳を傾けほんの少し視野を広げられたらというのもあるかも。

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番組では、お二人の癌罹患者とお一人のキリスト教シスターが登場されていました。

まず、「がん哲学外来」と呼ばれる集いに参加されている方々。
この外来は、8年前に順天堂大学病理学教授の樋野興夫氏が始めたもので、癌患者や家族が抱える恐怖や不安など医療と心の隙間をうめる、心と寄り添う、心と心の対話をする場です。お互いに語り合うことで、死の不安を乗り越え、生きる元気を取り戻してゆきます。今では、全国の公民館やお寺など100ヵ所で開かれています。

 

ここに通う57歳の主婦、佐藤加奈子さんは、3年前に食道癌が、その2ヶ月後には咽頭癌が見つかり、抗がん剤治療を受けました。予想以上につらかったけれど、何とか乗り切ったと思った矢先の昨年1月にリンパ節に癌発見。抗がん剤治療をしたりに、またなぜ?このとき初めて死をつきつけられたといいます。どうせ治療しても治らない、怒りや絶望感に打ちひしがれ、この感情を誰かに聴いてほしくて「がん哲学外来」に通うようになりました。仲間たちと話をするだけで、心が落ち着くようになり、一回30分の先生とのカウンセリングを重ねるうち、ある日先生が加奈子さんの話を黙って聴いたあと、「天寿がんでいってみますか?」と問いかけます。がんを抱えたまま命をまっとうするという意味です。この言葉で、加奈子さんの闘病生活が大きく変わりました。さらに、去年の7月、肺に転移していることがわかりましたが、抗がん剤治療を断る決断をしました。投薬して苦しい時間より、毎日のささやかな瞬間を楽しみたいと思ったからです。“天寿がん”、がんと共存するという考え方もある、今は髪の毛もはえてきて穏やかな気持ちで過ごしているそうです。

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お二人目は、楠章子さん、62歳。12年前の50歳で乳癌にかかり、今は肺に転移。ほこりを吹くだけで呼吸が苦しい時があります。母親も乳癌のため34歳で亡くなっています。だから、若い時から自分もいつか乳癌にかかるだろうと思っていたそうです。母のことを考えれば、自分もやりたいことを今やっておかなければと、サックスに挑戦し始めました。そして、肺に転移して手術したあと、“死”を意識して墓の準備や残された家族のことを心配しました。サックスはもう吹けないなと思っていたところ、「がん哲学外来」と出会い、「死後も残せるミッションを達成しましょう。死んでなお誰かの心に残して貰いましょう。」という言葉を聞いて、生き生きとサックスを吹いていたね、と人々の記憶に残してもらうため再びサックスを吹き始めました。ほこりを吹くのもつらいけれど、今この瞬間サックスを演奏して輝いて生きていらっしゃいます。

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人は最後の瞬間、何を望むのでしょうか?

最後の方は、カトリック修道会シスターの鈴木秀子さん。家族に請われて多くの人の最期を看取ってこられました。いよいよお迎えが近いであろう老人の手をとり、静かに語りかけます。

「吐く息とともに不安や心配は全部外に出て行きます。過ぎ去ったことは全部許されています」と言って呼吸を合わせると一体感を感じる瞬間があるそうです。5分足らずですが、一人の人生の最後に立ち合わせて頂ける貴重な時間じゃないですか?と。死と生は対立するものではなく、最後の瞬間は、肩書や役割から解放されて魂が安らぎに入って行く過程なのだとおっしゃいます。

人は死を前にして何を望むのか?多くの人は言います。心残りは、人間同士の欠如を解消したい、つまり仲直りしたいと。誰かに会いたいではなく、仲直りなのです。人生最後に偽りの自分に気づき全てを解消出来れば、穏やかな表情でこの世を去られるそうです。ベッドで静かに誰かに看取られあの世に逝けるのはなんて幸せなことでしょうね。私は無理かな。

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スタジオで美輪明宏さんは、生とは死への序曲、仏教キリスト教も、枕元に行って、思い残すことがないよう「残念」を吐き出させ、引導を渡す、つまり、死んだ事実を確実に認識させて、現世への執着を捨て悟りの仏道へ進むよう説くのだそうです。あの世とは、時間も空間もない想念の世界。地獄極楽は胸三寸にあり。自分の想念の在り方しだいで地獄に住むか、極楽に住むか決まる、一番恐ろしいのは自分自身。

どうすれば、安らかに逝けるのか?生きている時に自分を辱めないよう誇り高く行動する、日々の積み重ねしかないとのこと。

う〜ん、難しい話になっきまして、息苦しくなりましたが、結局、生かされていることに感謝して日々を大切にちゃんと生きましょうってことですね。

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以上のような内容でしたが、加奈子さんと章子さんの決断に共感しています。実際、私もいつ再発・転移が発見されるかわかりませんから、やれるうちに心残りを解消し始めていますし。覚悟を決めて行動し始めたら、先の不安や恐怖は、とりあえず棚上げできており、万が一発病や突発的な出来事が起きてもいいように常に心の準備もし始めていますし。って、避難用具は完璧じゃないんですけど。もし、50代で重い癌再発・転移がわかったら、治療拒否、いわゆる天寿がんにするかどうかはわかりませんが、もし60代・70代であれば、苦しく長い治療生活より天寿がんを選んで残りの時間を有意義に生きると思います。あっ、50代でも、もし今活動を始めた色々なコトがほぼ実現出来て、満足を得られれば天寿がんを選ぶかもしれません。

色々なコト、それは、歌うたいや演劇、漫才など全て自分の娯楽なんですが、何か腹の底に沈めているわけのわからないものをそれら演芸という表現方法で吐き出してこの世を去りたいと願っているのでしょう。しかし、この個人的な情念がカタチとなって出てきたものに誰が共感、感動してくれるでしょうか、私が観客ならまっぴらごめんですね、ですから、誰かのためになり、誰かに届けても良いカタチにできるよう精進し始めています。今の私は、そんな覚悟で生きています。って、とりあえず元気だからそんなえらそうな事を言えてるんでしょうね。

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日々感謝です。