今日も、生涯の一日なり

自分軸で生きると決め早期退職した50代独女のつぶやき

「NHKドキュメント72時間〜四国 海だけの小さな駅で〜」を観て。行ってみる?

こんにちわ、SUMIKICHIです。

日本シリーズロスを切り替えましょ。

最近観始めた番組のひとつ「NHKドキュメント72」。と言いましても、その時の気分に引っかかったテーマの時だけですけれど。で、今回引っかかったのは「〜四国 海だけの小さな駅で〜」。

場所は、四国の松山から列車で1時間のところにある小さな無人駅・下灘駅。きっかけは観光客がネットに投稿した写真から広がったようですね。どこまでも広がる海に、屋根とベンチだけの風景なのに、ここ数年たくさんの人が押し寄せてるそうです。ベンチに座って、ただ海を眺める人の心に迫る3日間。人は何を想うのかな。

3日間の声に耳を傾けてみませんか?

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≪初日昼前≫
◆三人組の20代?女子
横浜から朝7時半の飛行機でやって来た。ネット上のカメラ好きが集まる駅でみつけて一目ぼれ。これ、寂しそうで良くない?と一人海を眺める写真を見せる。

・・・列車到着。凄い人が降りる。一日20本、貴重なチャンス、5分間。必死に写真撮影。

スマホばかり見ている東京から来た男性大学生
ツイッタ―やSNSに旅の記録として投稿している。“どこまでも広がる碧い空と海 少しだけ鼻をつく潮の匂い この旅の集大成とも云えそう きっと一生忘れないと思う”という言葉を添えて。一人の孤独感っていうのも大事なのかもしれないけど、そこにもどこか人とつながっていたい心情もあるかもしれない。

◆若い女子二人
インスタグラムに景色をあげる。いろんな人に見て貰いたい?自己満足、とひとこと。

・・・気軽に撮ってすぐにネットにあげられる。今どきの気分にぴったりなのかな。

◆近所の89歳のおじいちゃま
プランターの草むしりにやって来た。手作りのチラシを配り、若い人と触れあって若返ると。

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・・・数年前までは訪れる人も少なく、89歳にして春が訪れるなんて。

◆ひとりカメラをかたむける熟年美女
バツイチ・シングルの50歳。娘さんが結婚し、人生の節目なので思い立って名古屋から来た。離婚して20年。娘の結婚式には、別れた旦那にも出席して貰った。ちゃんと一人で育てたよと見せたかった。意地ですかね。

・・・やっと自由に動けるようになり、いろんな事から解放されて、ひとり海を見つめる。

 

≪夕方≫ 急に人が増えだす。美しい夕日が瀬戸内海に沈む。
暗黙の了解のルールで、順番に夕日をバックに撮影のし合いこ。差し詰め〜駅を舞台にした撮影会〜。地元の人は、何もないところなのに、何時間もよく居られるなぁとつぶやいていた。

 

≪二日目の朝≫
◆80歳までここで漁師をしていたおじいちゃま
朝の散歩が日課。駅で体操。現役の頃はよく稼いだ、200杯の船がいたけど、今では40に減った。後継者がおらず、船を処分した。いつも沖から見ていたこの場所が、今は一番のお気に入り。

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◆67歳男性。
青春18きっぷで国内を巡っている。22歳で就職して、海外赴任が長くずっと働きづめ。日本の良いところをあまり知らない。新しく見つける、ディスバージャパンですかね、と笑う。

・・・取り戻したい時間を追いかけて、辿りついたのがこの無人駅。

 

◆65歳の終活おじさま
自称“鉄ちゃん”。カメラ問屋を定年退職し、不治の病と闘いながら四国を巡る。コツコツ貯めた40万円が底をつくまで、自家用車で寝泊まりしながら。こんなに海に近い駅は、奥羽線に一ヵ所あったかな、それくらいポイント高いですよ、ここは。見えるうちに夕日の写真を撮っておきたいと。

 

≪夜≫ ほのかに外灯がともっただけの真っ暗な駅。
◆郵便局の臨時職員35歳の若い男性
この時間帯の駅の雰囲気が好きでよく来る。5年間通って撮った写真1万枚。仕事のミスとか何かつらい事があった時に来ると忘れさせてくれる。この日もちょっとミスしたみたい。 

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≪3日目≫
◆台湾からの留学生、27歳女子
大阪に住んでいる。2年前に日本に来てから友達がひとりも出来ず一人旅。文化の違いに馴染めない。離れて暮らす家族には元気な姿を映した写真と景色だけを送る。台湾でも話題のこの駅の写真を家族も楽しみにしている。

 

≪2時間後≫
先程の台湾女子が何やら一人の女子と楽しそうにお喋りしている。同じく大阪から来た台湾留学生。珍しいから話しかけたという。

・・・こんな偶然の出会いも、この駅で起こった。

 

≪日没≫ 太陽が沈む。
◆公務員志望の男性大学生
この旅が終わったら、勉強漬けになるんで、最後に。5時間も居るなんてアホですよね、と照れたように笑う。

・・・3日間で駅を訪れたのは500人以上。海しかない無人駅で数千のシャッターが切られた。

以上のような内容でございました。

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たった一枚の、古びたトタン?屋根と簡素なベンチがあるだけの駅の写真を見ただけで、番組を観たいと思ったわけじゃないんだろうな。その写真に添えられた、コメントがあってこそなんだろうな。なんにもない場所・ものに反応する人たちの想いなんかを知りたくて。私、友人少なくてひとり好きなんですけど、不特定多数の人間には興味津々なのです。いわゆる変な奴。話戻して、自分もその無人駅に行って何時間でも眺めてみたい、感動の共有やつながってる感も得られるかも、などと思いますが、きっと、必死になって探せば、いえ、探さなくても日々感性を大切にして目にしているものと向き合っていれば、自分が今住んでいる場所にも、素敵になるところがあるんでしょうね。そして、今の時代にはそれを個人で発信することも出来ますから、ひとりだけど、ひとりじゃない。不思議な感覚。ひとつの風景を通して、現代の“ひとり”を考えてしまいました。

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日々感謝です。