今日も、生涯の一日なり

自分軸で生きると決め早期退職した50代独女のつぶやき

本日は、断捨離を経て今手元にある本をご紹介してみます。

こんにちわ、SUMIKICHIです。

本日は、今手元にある本三冊を勝手にご紹介してみます。有名なのでご存じの方は多いでしょうね。正直な話、一度しか読んでいないのに、なぜか断捨離時に残すグループに入ってるんですよね。

 

①《「103歳になってわかったこと」篠田桃紅》

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昨年の春頃、本屋の店頭で見かけ、背表紙の着物姿の写真に釘付けになりました。なんて素敵な103歳のお顔なんでしょうと。そして、タイトルの「人生は一人でも面白」の文字と生涯独身を貫いているという点、目次‘古代の「人」は一人で立っていた’に引かれて迷わず購入。お恥ずかしい話、この時初めて篠田さんの事を知りました。直後タイミング良くNHKで特集が放送されたので録画視聴しました。
テレビから伝わるこの方の清らかなたたずまいに魅せられました。神社やお寺の境内に足を踏み入れた時の静謐な雰囲気とでもいいますか。世界的に有名な美術家という背景もあるのかもしれませんが、どうしたらこんな顔つきになれるのか探ってみたくなりました。といいましても、著書を読むくらいですけれど。
この頃の私は、「天地にわれ一人いて立つごとき この寂しさを君は微笑む」という歌人會津八一さんの歌を取り上げられている、その篠田さんの感性に共感しました。主に‘孤独’に重点を置いて読みました。一通り読んで、素晴らしい経歴の方だから、こういう佇まいになるんだろうな、私は無理無理と切り離して忘れていました。

そして、今回、退職後始めたブログで綴ろうと、読み返したら、あっ、ここ、まさしくその通りだ!と新たに発見することがありました。前回印象的だった‘孤独’もさることながら、下記のあたりがすっと内に入ってきました。

 

◆「こうなりたいと目標を掲げて、それに向かって精進するという生き方ではなく、自由を求める心が私の道(美術家)を作った」

◆「自分が立ちうる場所(わが立つそま)に感謝する」、の「わが立つそま」の言葉を選ぶ感性が好き

◆「自分が一切である」
初めての書の個展で、平安朝の名筆を写さず自由に書いた作品を見て根無し草だと嘲笑されたくだりがあり、篠田さんは、家にある軸、額、書、紀元前の甲骨文字、さらには
影響、感動、拒絶など文字ではないものなんでもが自分の根になっている、養分をいかに吸収し、形成するかはその人次第、根は他者にあるのではなく、その人自身の一切にある、と断言。

 

会社員時代の渦中にいる時はわからなくても、退職後ブログのために人生棚卸をしていると私自身の一切(会社員時代の経験やその時々の感情など)が根となり、その根がどんなカタチで土から顔を出し形成されて行くかは自分次第なんですよね。だから、私も、書に関して言えば、有名な先生に師事もしていないし、実績もないことをコンプレックスに思わず、自由に希求しても良いんですね、と前向きに捉えることができます。篠田さんはちゃんと基礎がおありですから一緒にするな、と言われそう。

人生の諸先輩方誰もが同様の事をおっしゃいますが、美術家らしい表現の仕方、言葉の選び方が私の好みなんだと思います。

30〜40代で読んでいたら、惹かれる部分はあっても、どこか篠田さんは特別ですよねぇと思っていたと思います。ついこの間まで自分もそうでした。退職前にとことん自分と向き合う作業をした今は、著者と自分とを比較することはしないですし、逆に有名であるがゆえに生じる計り知れない孤独に想いを馳せたりします。しみじみ歳をとったんだなぁと寂しくなったり、結構心豊かなおばさんになったじゃないって微笑んだり、読書って心が忙しくなります。

 

②《「海からの贈りもの」アン・モロウ・リンドバーグ 落合恵子訳》

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1950年代に書かれたリンドバーグ夫人のエッセイ。島での二週間の休暇中に、内なる自分と向き合う様子が描かれています。この本を手にしたのは、確かまだネットが普及する随分前だったので30代中盤の迷い多き年頃(ずっとですが)だったと思います。雑誌の働く女性におススメ特集みたいなもので知り、翻訳ものは苦手でしたが、装丁に惹かれて購入しました。読んでみたら、浜辺で著者がぼぉーっと海を眺めている風景が広がり、すぅと引き込まれました。けれど、その頃の私には、奥深い何かまでは理解出来ていなかったんでしょうね、すぐ内容を忘れてしまいました。
それなのに、20数年も、何度かの断捨離を潜り抜け手元にあるのは、なぜ?自分でもわかりません。ページを開くこともなかったのに。ただ選別の際、表紙を見て、これ、確かとても幻想的で素敵という印象はあったので手放せなかったんですね、きっと。

これもブログにと読み返してみたら、驚きました。内容を一切覚えて無かったのに、結婚して家族を持つ以外は、ここに描かれている事全て今実行済みであることに。大袈裟な!とお思いでしょうが、本当なんです。怖っ。ずっとこの本から、読み返せ!というオーラが漂っていたのかな。

・・・どれだけ多くではなくて、どれだけ少ないもので暮らすか。
・・・わたしたちは結局、みな孤独である。ひとりでいるということを、もう一度はじめから学びなおさなくてはならない。
・・・この世にたったひとつのものなど存在しない。あるのは、たったひとつの瞬間だけだ。
・・・中年は、ほんとうに自分自身でいられる年代なのかもしれない。

上記の文章だけ羅列すると、ただのノウハウ本みたいになってしまいますが、章ごとに映像が浮かぶ内容で、ちょっと揺蕩う時の流れに染まってみたい方、特に女性におススメします。

もう内容は忘却の彼方になったりはしないと思います。

 

③「言葉の風景」

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言葉コンプレックスの私は、たまたま本屋で見つけて、読まないけれど持っているだけで安心する本。ざっと眺めて勉強するつもりです、いつか。えっ?それだけ?はっ、すみません。

 

特に、珍しい本じゃなくて申し訳ございません。もう少し私の傍にいてくれるのではないでしょうか。

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皆さんはどんな本が傍にあるのでしょうね。

日々感謝です。